【6/13発売】七色に生まれ変わる「飛鸞 Reborn」
飛鸞ファンの皆様、ついに6月限定商品「飛鸞 Reborn(リボーン)」が発売されます。
「飛鸞 Reborn」のお買い求めは全国の飛鸞販売店にて。
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毎年、大変好評いただいている「飛鸞 Reborn」
飛鸞 唯一となる「貴醸酒」でもあるのが、「飛鸞 Reborn」です。
今回の記事では、「飛鸞 Reborn」の秘密や昨年ヴィンテージとの違いを、森 五代目蔵元杜氏に伺いました。
葡萄のような独自のニュアンス
ーーーーまず味わいの特徴を教えてください
森:香りは葡萄のようなニュアンス強いと捉えています。
そもそも貴醸酒なので比較的甘いお酒です。なので独特な果実感を思わす甘い香りが感じられます。
この葡萄のような独特な香りは、口に含んだ際により強く感じられます。
この香りは、毎年微妙に変化がありますが、基本的には葡萄の要素が程よく感じられるような風味になっています。
ーーーーこの葡萄のような香りは酵母由来のものなのでしょうか?それとも他に由来するものなのでしょうか?
森 : 基本的には香りの要素は酵母由来ではありますが、やはり貴醸酒という仕込み水の代わりにお酒を使用している影響も強くあります。
最初からお酒が入っているという製法は、糖分、エキス分がかなり多いため、酵母の代謝の仕方が変化していきます。そのため香りの出方は、通常時と比べ自然と変化していきますね。
くどさのない、至福の甘み
ーーーー口に含んだ際の味わいはどのような印象でしょうか?
森 : 味わいについては、やはり貴醸酒ですので、トロっとした感じの要素、厚みのある甘みが舌ざわりとしてしっかり感じられるかと思います。
しかし、一般的な貴醸酒と「飛鸞 Reborn」との違いは飲み心地にあります。
元々、飛鸞で貴醸酒を作ろうと考えた背景として、シンプルに私が貴醸酒が好きだったことがきっかけなんですよね。で、貴醸酒の何が好きかというと、この独特な濃厚な甘み、普通の日本酒にはなかなか出ないような、甘みが貴醸酒にはあって、そのニュアンスが自分はすごい好きだと。
(リリース当時、Instagramでの森杜氏の投稿👆)
しかし、この貴醸酒をつくりたいとは考えるものの、同時に課題もありました。
貴醸酒はアルコール度数が高く、味わいが重くなりがちなんですよね。
中々ストレートで飲むもんじゃないなと思ったり、一杯だけで十分だなと感じたりすることが多い。美味しいけど長く飲めない、本当に最後に飲むお酒という印象が個人的にはありまして。悪くいうと甘ったるいなと。
そういった特徴のため、貴醸酒はやはり何となくとっかかりにくいんですよね。甘いので多くの方に受け入れられそうですが、なかなか受け入れにくい。
その理由がやはり、アルコール度数の高さだったり、濃厚な甘みという特徴にあるのかなと考えておりまして、自分はそれをすごく身近なものにしたい。なので、自分たちで作る貴醸酒は「ライトに仕上げたい」という考えが前提としてありました。
そこで、この甘さを一杯だけではなく何杯も飲んでもらうために、どうしたらいいか?と考えたときに、やはり酸味が大事なのではないか?と。
貴醸酒ならではの甘さもあるけど、それだけではなく酸味をかなり出すような設計にしているのが「飛鸞 Reborn」ならではの特徴です。
また、アルコール度数にも「飛鸞 Reborn」ならではの特徴がございます。
貴醸酒は発酵開始のタイミングでアルコール度数が9%とか10%いかないぐらいの高さからスタートするので、それが進んでいくと最終的なアルコール度数が18, 19%とかになってしまうんですよね。それがクラシカルな、昔ならではの貴醸酒です。
しかし、飛鸞ではアルコール度数を13-14%まで落とした貴醸酒をつくろうと考えております。
これはただ単に軽くするという話ではなく、貴醸酒の良さである甘味の要素は残しつつも、口に含んでから喉を通るまでの自然な流れを、酸味をしっかり出すことによって演出しております。
よって、軽く飲みやすいけどもしっかり貴醸酒らしさも出ているという、非常にバランスの取れた作品に仕上がっております。
昨年ヴィンテージとの大きな違い
ーーーーそのような味わいは、どのようにして実現しているのでしょうか?
森:そこまで難しいことをしているという訳ではないのですが、うちは白麹を貴醸酒では使っておりまして、そもそも白麹が使えるようになったから「飛鸞 Reborn」をつくったというのが背景にあります。
貴醸酒には酸味が必要だと考えた時に、その手段として白麹という日本酒にはないクエン酸のテイストを加えた方が、貴醸酒らしさと飛鸞が目指すライトな味わいが実現できるなと。そこが「飛鸞 Reborn」の始まりでした。
実際に白麹を用いた貴醸酒作りを試した結果、自分が考える理想的な味わいが出来上がったので商品化に至ったという訳ですね。白麹による酸の要素というのは、従来の貴醸酒にはない要素なので、その点において「飛鸞 Reborn」は差別化できているのではないか?と考えています。
ーーーー余韻に関しても、重たい印象が全くありません
森:実は、今年から原料米を山田錦からにこまるに変更していて、にこまるというのは、山田錦ほど豊かな膨らみある旨味がでないんですけど、苦味とか渋みのようなニュアンスが出やすいお米で。
一見、嫌われそうな要素ではありますが、ただこの要素があることで、余韻における苦味や渋みの要素を加えられ、味わいを立体的に構成することができる。飛鸞というお酒を作る上では非常に相性の良い特徴を持っています。
「飛鸞 Reborn」においても、甘み・酸味に加えて苦味や渋みを加えることで、お酒としてのスケールが広がっていく。いわゆる貴醸酒としての楽しみ方だけではなく、食中酒としても単体でもお楽しみいただけるような特徴が、余韻のニュアンスにも現れているのではないかと思います。
スパイスを用いた奇想天外なマリアージュ
ーーーー貴醸酒は単体で味わうものだと考えていたので、「飛鸞 Reborn」が食中酒としても楽しめるのは意外でした。森さんオススメのペアリング・飲み方などはございますか?
森:自分がいつも「飛鸞 Reborn」を飲むときは、香辛料を使った料理と組み合わせることが多いです。
中華系の料理やカレーとかと合わせても相性が良い。
「飛鸞 Reborn」は、普段、日本酒と合わせて食べないようなものが意外と良かったりします。
「飛鸞 Reborn」の甘味がしっかり味わいを下支えしてくれることで、刺激的な味わいの料理をよりまろやかにアレンジしてくれるので、そういったお料理との組み合わせを皆さんにもお試しいただきたいです。
樽貯蔵、スパークリング、10年熟成
森:また、「飛鸞 Reborn」は「熟成」に向いているお酒だと考えています。やっぱり甘味のあるお酒の熟成ってすごく魅力的で、自分は甘いお酒の方が熟成には向いてると思っていて、しかも酸があるかどうかってのはすごく大事です。
なので、私が熟成に向いていると考えるお酒の筆頭が、やはり貴醸酒だと思っています。もう寝かせれば寝かせるだけ、味わいの変化が複雑に出てきて、最初の「飛鸞 Reborn」とは全然違うと思える、素晴らしい熟成酒に仕上がります。
時を重ねていく魅力がすごく伝わりやすいのが「飛鸞 Reborn」になります。
また、単に熟成させるだけではなくて、樽貯蔵して数ヶ月間熟成させたり、瓶内二次発酵を行いスパークリングに仕上げたりなど、水面下で「飛鸞 Reborn」を発展させた作品づくりも進んでおります。
流石に樽熟成をご自宅で行うのは難しいとは思いますが、ぜひ何本かお買い上げいただき、すぐに飲む用と熟成させる用で様々な形でお楽しみいただきたいのが「飛鸞 Reborn」です。
実は、10年後、2034年に出す「飛鸞 Reborn」を今年つくりまして、飛鸞としても「飛鸞 Reborn」のポテンシャルを用いた様々な取り組みを進めています。
ーーーーそれでは最後に、読者の方々に一言お願いいたします。
森:「飛鸞 Reborn」は名前の通り生まれ変わりということで、一度生まれたお酒が、また新しいお酒として生まれ変わることから名付けられた作品です。
さらに、この生まれ変わったお酒が、先ほど言ったような熟成だったり、またスパークリングのように、様々な形で生まれ変わる「飛鸞 Reborn」を楽しんでもらえたら幸いです。
その中で、新しい日本酒の形を感じてもらって、より日本酒を好きになってもらえたら嬉しいです。
私が好きな貴醸酒というジャンルを知ってもらって、他の蔵の貴醸酒も楽しんでもらいたい。蔵によっても味わいが全く変わってくるとても面白いジャンルなので。
もし貴醸酒を飲まれたことがない方は「飛鸞 Reborn」を入り口に、より貴醸酒を、日本酒を好きになってもらえたらなと思います。
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