【12月20日発売】試験醸造酒「HIRAN Infinity∞」について杜氏に聞きました
酒造りの無限大の可能性を追求して誕生した飛鸞の試験醸造酒「Infinity∞」
今回のnoteでは、「Infinity∞」の味わいや製作秘話を五代目蔵元杜氏 森 雄太郎にお伺いしました。
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Infinity∞とは?
ーーー早速ですが、謎に包まれた新商品「Infinity∞」はどういったお酒なんでしょうか?
森:酒造りの無限大の可能性を追求するという意味で「Infinity∞」と名付けています。これまでは飛鸞会という名目で、精米歩合や米違いの飲み比べなど、試験的な内容で試験醸造のようなことをやっていたんですが、今年からはInfinity∞という名目で、より試験的な要素を強めたチャレンジングな枠として、誕生しました。
Infinity∞のテーマ
ーーー飛鸞の更なる可能性を追求した試験醸造酒ということですが、今回はどんな試みで醸造されたんですか?
森:一番の特徴はビール酵母を使用していることです。ここ最近のお酒業界では、クラフトビールやクラフトサケなど新しい概念を持ったお酒が数多くリリースされていますよね。
そんな時代で、いかに面白くチャレンジングなものをつくれるのか?と考えた時に、酒蔵である私たちは日本酒をベースにその枠組みの中で酵母に着目し、近年人気があるビール酵母を使って酒造りをしてみることに挑戦しました。
ーーービール酵母を使用する上で、何か参考にされたものはありますか?
森:クラフトビールを製造している醸造所を見学させていただいて、エール酵母の特徴について調査をしました。ただ、日本酒でビール酵母を使用する前例はほとんどなく、どのような味わいになるかは全く想像がつきませんでした。今回の試みでは、特定の味わいを狙うというより、「ビール酵母を使った日本酒がどのような香りや風味を持つのか」を実験的に探ることを重視しました。
ーーーどうしてエール酵母を選ばれたのですか?
森:日本酒酵母では生み出せないようなパッションフルーツのような香りや、トロピカルなフルーティさを引き出すことが出来ると思い、味わいにどのようなポジティブな影響を与えるかに興味があって選びました。
ーーー日本酒酵母と違った点はどんなところですか?
森:発酵形態そのものが日本酒の通常の仕込みとは全く異なりアルコール度数が低めになるので味わいの感じ方も変わります。少しチーズっぽい要素が感じられる部分もありました。
ビール酵母での発酵の難しさと打開策
ーーービール酵母を使用した発酵で難しかった点は何ですか?
森:ビール酵母での発酵過程の研究が非常に難しく、実は2年間かけて様々な試行錯誤を繰り返しました。日本酒の酵母と異なり、ビール酵母は発酵が進んだ後、急に止まってしまう特性を持っていて、発酵が一度止まってしまうと再開が難しいんです。
ーーーなるほど。最終的にどんな打開策に至ったのでしょうか?。
森:大きく分けて2つあります。ひとつ目は温度管理です。通常は、発酵をコントロールするために一度温度を下げるのですが、今回の試みでは発酵を止めないために、一度も温度を冷やさずに20度台を維持する異例の手法を採用しました。
ふたつ目はアルコール度数の調整です。アルコール度数が低すぎると甘みが強調されてしまうので、ギリギリのラインまで発酵を進め、最終的に度数が12度に達するようにしました。そもそもビール酵母は日本酒用ではないため、香りが出にくいのですが、度数を高めることで香りの存在感も引き出すことができました。
Infinity∞の味わい
ーーー最後に、Infinity∞の味わいについて教えてください。
森:今回は、柔らかく滑らかな口当たりが特徴で、パッションフルーツのような甘い果実感を感じさせる仕上がりです。アルコール度数が低めでなのでジュースのような軽やかさも感じられる一本です。
ただInfinity∞はまだ試験醸造酒の段階で、製法や使用する酵母によって味わいが変化していく可能性があります。現在もビール酵母を用いて新たに醸造を進めていますが、きっと全く違う味わいになると思います。
ーーー通常のReborn(貴醸酒)と飲み比べる際は、どこに注目してほしいですか?
森:ぜひ「香り」に注目していただきたいです。飛鸞Infinity∞では、ビール酵母特有の香りが生きています。一方で、Rebornシリーズの特徴である優しい甘みのニュアンスは共通しています。この香りの違いから、日本酒酵母とビール酵母の違いを楽しんでもらえると思います。
ーーービール酵母を使用したお酒が完成しましたが、今後さらに取り組んでみたいことや改良していきたいことはありますか?
森:今回の経験を踏まえて、次はガス感のあるビール風の味わいや、クラフトビールに近いパッケージデザインにも挑戦してみたいと思っています。ビール酵母には多くの種類があり、それぞれが特徴的な香りや風味を持っているので、今後は様々なタイプのビール酵母を試してみるなど、新しい試みを通じて得られた知見を活かして、日本酒の可能性を広げていきたいです。
ーーー次回のnoteでは、「Infinity∞」の誕生秘話やおすすめのペアリングなどもお伺いさせていただきます。お楽しみに!
Infinity∞ 12/20 全国の飛鸞販売店で解禁
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季節限定酒ですので、ぜひこの機会にご賞味いただけますと幸いです。
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