【バイク編】IRONMAN World Championship NICEレースレポート
【事前準備・スイム編】を読んでくださったみなさま、ありがとうございます。
引き続き、バイク編になります。
Bike 6:18:54(28.45km/h)
エイジ27位/172人
総合118位/1,138人
前編を簡単に振り返ると...
スイムではスタートボタンが押せずにうまくタイムが計測できず、波もありブイは見にくくヘッドアップしまくりで首は擦れ擦れ。かなりへろへろながらも意外と好タイムでスイムアップ。
T1も走りながら靴を2回も落としたりと、だいぶ焦りながらも、バイクの乗車は落ち着いて乗れました。
バイクスタート直後に「エイジ22位」という声が聞こえた気がした。(実際応援団のみなさまが声かけてくださっていたそう。気がつかなくてごめんなさい!)
スイムの順位がこんなに上の方なのは初めてで少し驚き。
バイクはたぶんすごく抜かされるだろう。
とにかく設定ワットを守って焦らず無理せずマイペースにいこう。
そんなことを思いながら走り始めました。
一応目標は6時間くらい。
登りはFTPの8〜9割に留めること。
(200w以下目安)
10kmほど平坦ゾーンを進むと、10〜33kmまでひとつめの登りがスタート。
周りがゴリゴリ踏んで登っていく中、とにかくとにかくマイペース。
気温は涼しく暑さは感じなかったが、早めに頭から掛水をして深部体温の上昇を防ぐ。
▶︎涼しくても深部体温は上がる
普段からCOREを使用して深部体温のモニタリングをしているので、体感とのズレや、上昇する前に冷やす大切さがよく分かっている。
実際終わってからCOREの深部体温データを見ると、かなり涼しく感じていたバイク区間でも39℃を超えてしまっている部分もありました。
全体的に大崩れせずにレースを終えられたのは、暑さを感じてなくても序盤から掛水をしっかりしていたおかげかも。
33〜40kmの下り基調を終えると、40〜60kmの第2の登りへ。
この区間はとにかく景色が美しい。
登りはペースが落ちるので、周りをきょろきょろ景色を存分に堪能して走れるのが嬉しい!
周りの選手を観察できるのも楽しい!
サドル後ろのボトルをうまく刺せずに苦戦していると、「わたし刺せるか試してみようか?」と声掛けてくれる海外選手もいたり笑
ありがとう!でも大丈夫よ〜!とお断りしましたが。
登りはできるだけ筋疲労を分散させるべく、上体を起こして腰への負荷を軽減させたり、足の筋肉も使うところを変えてみたりしながら、ワットは抑えて走る。
変な漕ぎ方をしたり、ワットが上がりすぎると右膝が痛む。少し心配に思いながらも、膝に負担のかからないポジションを探して淡々と登る。
その横をDHポジションのまま、ディスクホイールでゴリゴリ登っていくヨーロッパ勢が何人も。まじか。すげぇ。
「大丈夫、この人たち絶対ラン走れないから。」
そう言い聞かせてマイペースを維持。
▶︎ニースのエイドは難しい
エイドステーションは、登りでスピードが出ないエリアと、平坦や降り貴重でスピードが出るエリアとが混在。
できるだけスピードを無駄にしたくないので、登り貴重のエイドのみ寄り、プレシジョンドリンクと水ボトル(ペットボトル)をもらって毎回しっかり頭から水を掛ける。
ボトルキャッチャーはエイドの前後すぐ横にあるので、エイドでもらってすぐ掛水した空ボトルも、掛け終わるころには捨てる場所がありません。
掛け終わった空のペットボトルは毎回サドル後ろに入れました。
前半2つの山を登り終わって、やっと60km。
ここでもう2時間30分強。なるほど。
下り部分でどのくらいスピードを出せるものなのか、未知数。
この先の展開も読めないので、この時点ではまだ6時間目標への希望は捨てていない。
やっと山頂のローリング区間に来てスピード乗れるかな?と思いきや、この区間がほとんど強い向かい風。全然進まない。かなりキツい。いや本当にここキツかった。
下り基調のところでなんとかスピードに乗り、風に争う。
▶︎試走の大切さ
事前に車で180㎞全コース試走をしていたため、スピードを出せる区間はなんとなく把握。
そして2回の大きな登りが終わってからも、コース図の印象以上にまだまだ登るということも試走で実感していたため、まだまだ出てくる登りゾーンにも冷静に対応。
車で試走しておいて本当によかった。
見覚えのある景色にが出てくる度に、走りながら何度も何度も心の中で運転してくれたスーさんにお礼をいいました。
スーさんありがとうございます!!!
でも本当に、「まだ続くか!どんだけ登らせるねん!」って笑いながらツッコミを入れてしまうくらい、本当に異常なまでに中盤・後半もだいぶ登ります。笑
佐渡トライアスロンAタイプの獲得標高は1,300mくらい?それに比べると感覚的には4000mくらい登らされているのではないか?と思うくらい、まじで永遠登ります。。。
▶︎GARMINのサイコンは降りはMAP画面に
また、今回下り対策として初めて取り入れたのが、GARMINのコースマップをサイコンに入れて、それを見ながら走ること。(IRONMANのページからダウンロード可能)
車の試走のときに、先の見えない下りカーブは多いけど、意外とゆるくてDHポジションのままいけるカーブと、急なカーブとが混在していることが分かっていました。
事前にコースマップを入れておいて、コース案内モードでバイクスタート。
コース案内モード画面だとワット数や心拍数を同時に見ることはできないので、登りや平坦部分は普通の画面で、下り基調に入る前にマップ表示に切り替えて走りました。
これが本当によかった。
コーナーを先読みしながら進めるので、恐怖心もなく、しっかり攻めてコーナリングできる。
降りゾーンはコーナーが多いだけでなく、車がスピードを出さないようにするためのかなり大きな段差があったり、分かれ道が多くて迷子になりかけるので、コースマップは絶対使った方が良いです。
また事前にFulgazでコース下見もしておいたのですが、Fulgazはたぶんレース前日に撮影した映像?を見ながら走れるので、エイドの場所や、交通規制、危険箇所で速度が出過ぎないようにするためにコーンのようなものが置いてあるクランク区間なども確認できて、導入してとてもよかったです。
レース当日も、ああここか!と冷静に対応できました。
▶︎ニースはロードバイクか?
TTバイクか?問題
これについては、わたしはTTバイクであるcervéloのP5で大正解でした!
cervéloの新型P5は、登りも重さを感じず、降りもバイクとの一体感がかなりあって、コーナリングも自由自在。
完成車についてくるリザーブのホイールには、29cのタイヤがついているので、安定感も抜群!
「降りはとにかく安全に」と考えていたことなんてすっかり忘れて、降りが楽しすぎてめちゃくちゃ飛ばしました。笑
降りでは後ろから抜かされることはゼロ。
むしろたくさん抜きました。
ものすごく体幹を使ったので、腹筋が筋肉痛になりましたが。
走っていても、TTバイクで苦戦している人は見かけませんでしたが、平坦や降りで苦戦しているロードバイクは多く見ました。
極端に重すぎるTTバイクだと難しいとは思いますが、登れるTTなら断然TTの方が良いと思います。
まぁ実際ロードバイクで走って比べたわけじゃないので無責任なただの所感ですが。
でもわたしはcervéloの新型P5が本当に走りやすかったし、このバイクのおかげでコース全てを楽しめたと思っています!
ちなみにわたしはcervélo新型P5、アルテグラの完成車そのままの状態で乗っていますが、ニースに向けてスプロケだけ11-30を11-34に付け替えました。
登りはパワーを抑えたいわたしにとって、ギアはこれでちょうど良かったかなと思います!
いろいろと話が脱線しましたが、レース展開へ戻ります。
降り区間のコーナーの連続、凸凹の連続、迷いそうな街中の分岐点などをなんとか乗り越え、やっとラストの平坦ゾーンに。
ここまできてやっと安堵感が。
怪我なく事故なくトラブルなく、ここまで戻ってこれた。本当によかった。
このころには6時間を超えていたものの、設定ワット数を守り、脚が攣ることもなくうまくコントロールできた走りだったので、かなり手応えはありました。
昨年、膝を痛めてから冬の期間はほとんど練習できず、春以降から少しずつ良くなってきたものの、高強度練習をすると痛みが出てしまうため思うように練習できず。
もどかしさを感じながらも、出来ることをコツコツ積み重ねてきました。
この一年の練習の成果はしっかり出せた。
焦らず、周りに惑わされず、きちんと自分の設定通りマイペースに走れた。よし。よくやったぞ。
そんなふうにしみじみバイクパートを振り返りながらラストの平坦をこぐ。もう踏む力は残っておらず、160w付近で淡々と回す。降りで抜かした選手たちに抜かし返されるが、このあとのランに備えて引き続き冷静にマイペースに。
そうして息を整えて冷静にT2へ。
の、はずが、飛び降りに失敗!
サドル後ろにさしてあるボトルが、エイドでもらった750mlのいつも使っているものよりも長いボトルで、降りるときに脚が引っかかり、少し手こずっている間に降車ラインギリギリに。
審判の人に「降りなさいー!」と叫ばれながら、減速もままならず勢いよくライン超ギリギリで降車。
大道芸のような降車ぶりに、周りからは歓声があがる。笑
ライン手前ギリギリで降りたけど、勢いがありすぎて自転車を倒してしまう。
わたわたしながらT2のラックへ。
やべーー
やべーー
焦りすぎて、自分のラックの少し手前に一度バイクをかけてしまう。
いや違う違うここじゃない。
ずれて掛け直す。
バイクラックに自転車を掛けてから、ヘルメットを外しながらトランジションエリアを走っていたら、「ヘルメットつけなさい!」と審判に怒られる。
え?
バイク置いたらヘルメット外していいはずだよね?
いいはずなんですが、文句いってもしょうがないので大人しく被りなおす。
IRONMANでは審判の言ったことは覆せないので、抗議しても時間の無駄。言うこと聞くしかありません。
脱いだヘルメットをまた被ってチェンジングテントへ走る。
T2では、
ヘルメットを脱ぐ
ヘアバンド外す
ランシューズ履く
(濡れなかったので靴下は履き替えず)
帽子を被ってゼッケンベルト持ってGO
走りながらゼッケンベルト着けて
ゼッケンベルトに装着しておいたサングラスと手袋を走りながら着けて。
さぁ、勝負のランへ。
ここから大反省会フルマラソンが始まるとはつゆ知らず、、、意気揚々と走り出しました。
データ
NP168w
FTPのちょうど8割のパワーということで、
今の自分に出せるベストなバイクパフォーマンスでした。
登りはしっかり掛け水とパワーコントロール
降りはできるだけ脚を回して
暑くもなく、寒くもなく、うまく体温もコントロール。
補給も早めに多めに摂ることで、安定して走れたと思います。
装備・補給
(スウェットテスト大事)
エイドにはMaurtenジェル100、カフェイン有無各種とプレシジョンタブレット1000のドリンク750mLボトル、水、コーラなど。
水のみ500mLペットボトルで、それ以外はちゃんとしたバイクボトルでもらえました。
プレシジョンは1本にナトリウム500mg入ってるドリンクになるので、自分の適正値を知って計画的に摂らないとお腹下します。
わたしの場合は事前にプレシジョン愛川さんのところでスウェットテストというものを受けました。
詳しくはまたInstagramでも載せようと思っていますが、このテストで自分の汗1Lあたりに何mLのナトリウムを失っているのかを測ることができます。
この数値を参考に計算し、自分の許容量を練習で試してからレースに挑みました。
今のヨーロッパのIRONMANでは、プレシジョンが公式エイドで出されることが多いようなので、ヨーロッパのレースに出る方は事前にテストして試すことをおすすめします。
実際、ニースでいきなりプレシジョンを飲んで、おいしくて飲みやすくてガバガバ飲んでしまって、ランでお腹を下したという声をリアルに2人の選手から聞きました。
レースで使う補給は練習で試すの本当に大事だと思います。
他のものはサドル後ろのポーチにいれました。
メインのドリンクは前の2つ。
後ろのボトルは掛け水した後の空ボトルを入れるようにしていました。
このくらいかな?
バイク編、まとまりなくてすみません!
ラン編も書きたいことがありすぎて、想いが溢れすぎてまとまらなさそうですが頑張ります!
最後まで読んでくださりありがとうございます。
ラン編もよろしくお願いします🙇🏻