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60 西都市での一日。

平野啓一郎氏の著作、「ある男」の冒頭に宮崎県S市が登場する。古墳が有名なS市には心当たりがあったし、S市に行きたい温泉もあったので、せっかくならと、現地で読んでみることにした。

都城から西都までの道は、起伏の大きい田舎道で、ややくたびれた。とりあえず西都市に着いたが、朝が早くどこも開いていなかったので、24h営業のトライアルへ。300円の8貫お寿司と、400円の5貫大トロがあったけど、そんなにおなかがすいていなくて、量はいらなかったので朝から大トロを頂くことに。久しぶりの大トロは背徳の味がした。

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近くには県立産技専門校も。建物かっこいいやんけ。ここは、2年の課程のまとめとして、4学科?合同で家を一軒建てるらしい。目標と分業と教育的効果が明確で、どこかの学校がやっている「他学科コラボレーション」とは一線を画していると思う。実態は知らないので、手放しに誉めるわけでもないけど。

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大トロを食べたら図書館が開いたくらいの時間だったので、図書館へ。こじんまりとしているけど、シンプルで居心地のいい図書館だ。

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半分読み終えたところでお昼。近くのスーパーを目指して歩く。

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かわいい感じの街。

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スーパーと呼ぶのも、デパートと呼ぶのもはばかられる規模感はなぜか懐かしい。入った瞬間に、自由と全能感を伴って幼少に戻ったような錯覚を起こした。

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お前まだいたのか。

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ピッポッパッ

なかでも、ひと際目を引いたのはフードコート。

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この街はタイムカプセルなのだと思った。僕の思っていた青春が、憩いがここにあった。僕はここで食べることを決めた。paypayで支払い、タイムスリップしていないことを確かめる。

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ラーメンとミニ牛丼のセットを注文した。まさに記憶していた「あの」ラーメンだった。「フードコートスターターキット」でもあるのだろうか。きっとから揚げとか、たこ焼きとかソフトクリームも、2003年と同じ味なのだと思う。確かめたかったけど、お腹いっぱいなので図書館に戻って続きを読む。

「セールで安かった」という意識の低くやや失礼でもある動機で購入したKindle本だったので、軽い気持ちで読み始めたけど、意外とマッチして非常に気に入りました。僕がレビューを書くと非常に浅はかなものとなるので、ぜひお読みいただいたうえで感想会したい。久しぶりにこういうのを読んだなと思った。いや、普通にハッピーな小説を読みたい。

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友達を誘おうかとか、近くにいる(であろう)人に連絡したい気持ちもあったけど、一人で来てよかったと思った。本を楽しめたから。一人で来なければよかったとも思った。知らない土地での感動や、本の感想を誰とも共有できなかったから。

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話は変わるけど、来たかった温泉は妻湯。最近できたキレイなところです。10月になり、温泉同好会もシーズンオン。露天風呂が気持ちよい季節です。900円とちと高いが、お湯がぬるぬるで気に入りました。休憩室もおしゃれ。

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来週はどこに行こう。

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