38 モラトリアムなのだろうか。
専攻科はモラトリアムか。
専攻科のカリキュラムを淡々と消化でき、卒研も順調で進路も決まった人間にとったらそうかもしれない。理解しきれない授業、進まないしわからない研究のこの生活はモラトリアム感がない。去年は芋を掘りながらそんなことを考えていた。
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専攻科1年生は人によるけど忙しい。授業もけっこうみっちりあるし、学会発表やインターン義務もある。もちろんつらさは人によるんだけど。
僕は専攻科で研究テーマ変えて本科の貯金がなかったり、学力が低くて授業やレポートが苦しかったりして、専攻科1年生は忙殺って感じだった。無限にあるやるべきことと自分とのギャップのなかで茫然としていることに忙殺されていた。学びがなかったわけではないけど、外的に何も生み出さず内的に成長を感じることが難しかった去年は本当に苦しかった。
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その意味で本当のモラトリアムは専攻科2年生の後期なんじゃないか。専攻科2年生前期は進路決定シーズンなので、緊張やプレッシャーや不安があるし、受験勉強をしないといけない人もたくさんいる。就職にしろ進学にしろ結構忙しいはず。でも大体前期に決まると思うんだ。俺も前期に決めたい。
大体の専攻科生は1年生と2年生前期で授業を詰め込んで、後期はほぼ必修だけ受講すれば卒業要件となるらしい。この半年だけがモラトリアムなんじゃないのか。
本科5年生後期がそのニュアンスで語られたりもするが、先輩がいうほど5年後期は楽じゃないと思う。卒研と設計の授業にどの程度本気出すかのファクターが大きいのでこれも人によるんだけど。
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さて、こと専攻科2年生の場合は研究活動も3年目に入り進路も決まり、ある程度自主的に時間を処分しないといけない。後期になると外部発表は大体の人が終わっていて、自分の研究が卒業要件を満たしているかはわかるころなので、深めたい人は深めてもいいし、他のことに時間を使ってもいいし、多分自由。
この期待が裏切られるのかはわからないけど、もう半年頑張ろうかなっていう、日記。