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70歳超で英語を学び直す、ホントのところ

16の動詞でゆく、英語マスター旅 その2

今から90年も前にG.K.オグデンさんが開発した、わずか16の動詞で英語を自由自在に使いこなせるベーシック・イングリッシュ(BE)。今日は、私の英語を学び直したいと思った、ふかーい理由についてお話しします。

35年前の悔しい思い出

30代半ばでしばらく仕事を休み、アメリカ西海岸へいきました。

高校時代、英語ばかり勉強していた時期があって、少しは自信もあり、でも英語から離れた時期が長いので、旅立ちの1ヶ月前くらいから英会話教室にかよったり、英会話のテープをきいたりして準備をしました。

飛行機がロサンゼルスについた時には、空港のすぐそばに予約していたホテルへは、それほど苦労しなくてもいけるだろうと思っていました。

"Where can I catch the shuttle bus of Holliday in hotel?"「ホリディインホテルの送迎バスは、どこから乗ればいいですか?」

空港の案内係の女性にたずねたとき、私のちっぽけな自信は一気にくずれました。

こちらの言っていることはつうじたようなのですが、案内係の女性の言っていることが一言もわからない!

おおげさでなく、一言もききとれない!

単語と単語の切れ目がわからず、英語らしきひとつながりの音がきこえるだけで、まったくわからないのです。

日本にいるときに、なんどもなんども英会話のテープをきいたのが、まったく役に立たない!

そして、ようやく気づきました。

日本の教材で耳にする英語と、ネイティブの話す英語は別物なのだと。

それからが大変でした。

「別の人なら少しはわかるかも・・・」と何人かのアメリカ人に声をかけたり、ホテルに電話をしたりして、ようやくシャトルバスにのり、空港と目と鼻の先のホテルに到着できたのは、空港に降り立って2時間以上たったころでした。

チェックインした部屋に荷物をおろし、

「これから俺、大丈夫かな?」と不安になったのを覚えています。

アメリカ生きの目的は、

1年中、アートやスピリチュアル系の講座をおこなっているエサレンというワークショップ・コミュニティで、働きながら安く滞在するためでした。

 エサレン↓ 

https://www.esalen.org/learn

エサレンは、かつて文豪ヘミングウェイも愛したという、ビッグサーという美しい海岸地帯にあり、

今ではそこそこの日本人も訪れるようになりましたが、35年前はまだわずかでした。

そこで皿洗いをしながら約1ヶ月。

アメリカ人はもちろんとして、ヨーロッパ、アジアからもさまざまな人たちが集まり、私と同じように与えられた仕事をこなしながら、費用をまかないながらワークショップを楽しんでいました。

お金持ちの方々は、私たちのようには働かず、悠々とバカンスを楽しみながら気に入ったワークショップに参加していました。

ロッジに4〜5人で共同生活をしましたが、同室にはアメリカ人2人、アルゼンティン人、そして大学を出たばかりの日本人。

彼は東大出の秀才でしたが、やはり英語には苦労していましたね。

エサレンでは、アメリカ人の講師、インストラクターの英語はやはりわかりにくかったけれど、非英語ネイティブのオランダ人、スイス人、ドイツ人、アジアの人々とは、お互い知っている単語を並べるブロークンな英語で、コミュニケーションはうーんとラクでした。

エサレンを去ってからは、後からやってきた家族や友人と合流し、西海岸の観光旅行を楽しみましたが、

アメリカに来て2ヶ月をすぎると、ようやくネイティブの英語がいくらかききとれるようにはなってきました。

それでも、ネイティブの英語は独特の気取った言い回しや慣用句などがいりまじり、とてもとても3ヶ月くらいでは歯がたちませんでしたが。

こころに潜んでいたコンプレックス

高校時代、英語の勉強に打ち込んだと言いましたが、

そのときの勉強のやり方は、

とにかく暗記でした。

教科書を書き写したり、

新しい単語があれば最低10回書いて頭に叩き込んだり、

教科書の副教材の音読テープを何度も何度もききました。

赤ちゃんが自然に日本語を覚えるように、

とにかく英語を浴び続ければ、自分も気がついたらアメリカ映画を

字幕なしでわかるようになっている。

そう信じていました。

今でも、そんな教材が売られていますよね笑

なぜ、そんなやり方で英語を勉強したのか?

アメリカ人のように英語を話せるようになりたい!

それです。

その気持ちの裏には、日本人よりも欧米人の方がランクが上で、

英語をマスターできれば、まわりにいいかっこうができる。

学校に友達も少なく、クラスの隅でひっそりとした学校生活を送っていた少年の、そんなコンプレックスに動かされた英語のお勉強だったのです。

いま、中・高校生の自分にBEを教えてやれたら

ベーシックイングリッシュ(BE)は、

言うまでもなく、アメリカ人やイギリス人のように

英語を使えるようになろうという、メソッドではありません。

エスペラント語がめざすような「世界共通語」をつくろうとするもので

おもな対象は英語を母国語としない人々のためのメソッドです。

英語ネイティブ同士の英語を話す人が4%、英語ネイティブが非ネイティブに話す人12%、非英語ネイティブ同士で英語を話す割合が74%。

これは20年以上前のデータなので、今ではもっと英語ネイティブ同士以外の英語使用が増えているのは確実です。

とはいえ、BEを学ぶことで、英語ネイティブがつかっているような英語を学ぶすぐれたステップになることも事実。

BEのめざすところは

自分が伝えたい意味内容を、覚えた単語ではなく、考えて組み合わせたワードで伝えるという、一種の「脳トレ」。

中学生や高校生の自分にBEを教えてやることができたら、良かったなと実感しています。

16の動詞で4000もの動詞の意味を表現できるBEをマスターしていれば、背伸びなしで、自然体の自分として世界の人々とコミュニケーションできる「生きた英語力」が身についていたに違いありません。

でも人生百年時代、たっぷり時間はあります!


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