2-18 からんで、こじれて、火がついてブーメラン
博士 そのスタンスで集めた情報を下敷きに、この対談も進んでいます。情報を集めるには時間とエネルギーがかかります。あと、お金ですね。とにかくコストがかかる。〈執念〉と言っていいと思うのですが、どこからそのモチベーションが湧いてくるんでしょうか。
チェ いちばんは「子供たちのために、世界を一歩前進させたい」という想いです。いまの〈ヘンな状況〉、ぶっちゃけ私は我慢できます。忖度するポイントも分かってるし、実際ずいぶんやってきました。しかし子供たちに同じ我慢や忖度をさせたいかと考えたら「NO!」なんですよね。
子供たちの時代には「学会員か、そうでないか」とか「折伏いくつやった」とかは、良い意味で陳腐化してどうでもよくなっているはずなんです。未来の広宣流布員には、後ろ暗さや罪悪感とは無縁の、歓喜に満ちあふれる〈自分の広宣流布〉をしてもらいたい。そのために〈ヘンな状況〉を終わらせたいんです。
博士 それは学会員総体のひそやかなる〈切実な願い〉ではないでしょうか。
陳腐化には二つの要因があります。まず何度も話題にのぼり、飽きられること。次に新しい概念の登場で古くなることです。
学会員が言葉にしにくいことを言語化し、未来を語ることで、現状を過去のものと定義づけていく〈働きかけ〉は、必ず未来の広宣流布に寄与すると確信します。
さて、話を戻しましょう。三人組の〈働きかけ〉は、その後どうなっていくのでしょうか。
チェ 〈実名告発 創価学会〉によれば、彼らは本部を解雇され、学会を除名になります。その後、サイレントアピールや訴訟を積み重ねますが、事態は進展しません。どうしても池田先生に本部の実態(理不尽な人事や除名)を報告したい彼らは、習近平、胡錦濤、江沢民、温家宝などの中国要人に、「池田先生に伝えてください」と手紙を書いたけど、無視。池田先生が対談してこられたゴルビーやネルソン・マンデラ、エスキベル博士にも手紙を出すが、無視。ヴァイツゼッカー博士には講演会場にて手渡しするも、池田先生との対談は間にドイツSGIと創価学会が入っており、直接に会うことはないので「渡せない」と断られます。その後も、理解者と座談会等をしていたようですが、新しい仕事が忙しく、またコロナ禍で集まるのも難しい状況になり、今は道を模索中のようです。
博士 しかしこう言ってはなんですが、三人組も学会の方も、どっちもどっちと言うか。すこし子供じみてはいませんか。頑張りを冒涜する気はありませんが、ちょっと客観的に見ると、イジメられたことをチクろうとする子供と、チクリを阻止しようとする子供のせめぎ合いのように感じます。
チェ 私も同じことを感じました。もちろん八方塞がりで、なんとか事態を打開しようと、なりふり構っていられなかったことは理解できます。ただ、ふつうの社会人から見れば、解雇された会社内でのイジメを社長に報告したいけど、できないから取引先の社長達に手紙でチクりまくるような話です。三人組のとった手法は、立派とは言えません。
一般社会を知らずに社会経験の無いまま〈創価学会という世間〉で培われた〈悪しき大勝利主義〉、何が何でも大勝利しようする姿勢、大勝利するまで悪を攻め抜く執念を発揮する〈クセ〉がこじれてしまった人たちというように感じられました。
博士 しかし、そうまでして、彼らが学会本部に抵抗する理由、また学会本部が彼らをかたくなに拒絶し、遮断しようとした情報とは何なのでしょうか。
チェ 書籍には理不尽に除名され、苦しんでいる同志がいることを池田先生に報告したいと書いてありましたね。あと「神奈川に経費の不正使用や会員イジメをしている職員がいる」と。ちなみに書籍にはほとんどの登場人物の名前が実名で掲載されています。
博士 それは確かに重大な問題ですが、ここまでこじらせて大事(おおごと)になってしまうようなことなのでしょうか。もっと温和に解決できるのでは。
チェ どうもこの神奈川の職員Nは経費不正使用や会員イジメの他にも問題があるようです。
これは〈別の元会員が創価学会を相手取って起こした裁判〉に関する情報ですが、Nは「俺は原田会長の弱みを握っている。これが世に出れば一発で終わりだという写真を持っているんだ」と発言したそうです。しかもこれは録音されており、法廷でも証拠として提出されたそうです。
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