3世代4人が、お母さんの年金で共同生活
[やれば、変わる。変われば、わかる④]
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<前回までのあらすじ>
今まで自分で考えたとおりにやってきて、今、どうしようもなく行き詰まっている。
つまり苦言に耳を貸さず、嫌なことは避け、好きなことだけしてきた結果、誰からも相手にされなくなった。
テッチャンは、そのことにようやく気づいた。
<本編>
真剣な顔で「変わらなきゃいけないと思います」と言うテッチャン。
私はテッチャンとの出会いを思い出しました。
テッチャンを紹介してくださったのは、近所の婦人部の方でした。
彼を幼い頃から知る婦人は、散歩道で偶然、十数年振りに故郷に帰ってきたテッチャンとの再会を果たします。
テッチャンは仕事にあぶれ、実家に嫁さんと息子をつれて転がり込んできたのでした。
2LDKのマンションに4人で息が詰まるような3世代同居。
収入の柱は、お母さんの年金。
婦人はテッチャンに大善を施すべく、折伏を決意され、私に声をかけてくれたのです。
三人で本幹を観に行ったのをきっかけに、私とテッチャンの対話が始まりました。
対話は私がメインで行い、婦人はお題目での掩護射撃と、彼のお母さんとコミュニケーションをとることで分担。
婦人はいつもテッチャンを気にかけ、野菜を差し入れたり、お金を払って家のペンキ塗りを依頼したりしていました。
テッチャンは本業のペンキの仕事をもらったにも関わらず、何かと理由をつけて作業を進めず、進めた箇所も塗料をこぼしていたり、塗り忘れていたりと「二日あれば終わる仕事(本人談)」に一ヶ月以上かけ、素人が塗った前のペンキ塗りよりも低品質というさんざんな結果に終わりました。
それでも婦人はテッチャンのことを気にかけ続け、腹を立てたり、気をもんだり、放っておいてみたり、お母さんに様子を聞いたりと遠巻きに見守り続けました。
仏壇の前には、テッチャン一家に具体的にこうなってもらいたいという御祈念項目がずっと置かれています。
そんなテッチャンが、ようやく「俺ってヤバい」と気付いたのです。
私は聞きました。
「変わるために、はじめにやらなあかんことは何か分かるか」
「分かりません。教えてください」
「テッチャンのことを大切に思ってくれてる人への感謝や。まず、家族な。そして……」
紹介者の婦人がどれだけ彼のことを思い、祈っているかを話しました。
テッチャンは真剣な顔で聞いています。
「分かりました。おばちゃんの気持ち、全然、分かってませんでした。おばちゃんには、改めて俺の方から筋を通させていただきます」
その数日後、テッチャンは婦人の家を訪れます。
私も報せを受けて駆けつけました。
そこで私たちは、テッチャンにまた失望させられるのです。
<つづく>
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