〈折伏体験コラム〉地獄の苦しみ、ぱっと消えた!(N村Y子さんの場合)
〈二〇一五年 十二月二日 御本尊流布 N村Y子さんの折伏〉
私は、東京と新潟と大阪を行き来する生活をしており、地区を空けてしまうことも少なくありません。そんな私を温かく支えてくださるT地区部長、A地区婦人部長はじめS支部の皆様には本当に感謝しております。
特にA地区婦人部長は、私にどこまでも寛容な心で接してくださり、地面に額がめり込んで頭が上がりません。本当にありがとうございます。
Nさんと知り合ったのは昨年の春、東京で行われた経営者の勉強会でした。
彼女は大手国内系生保の優秀な営業マンで、シングルマザー。
お金には不自由していないけど、どこか幸せになりきれない人という印象を受けました。
根が素直な方だけに、非常にもったいないと思ったことを記憶しています。
ある日、話しの流れからNさんの通う自己啓発セミナーに誘われました。
「自分の人生を変えてくれた素晴らしいセミナーだ」と言うので、「面倒くさいなあ。人生変えるセミナーなら知ってるんだけど」と思いながら、どのようなものかと参加してみました。
「自分が変われば、他人も過去も未来も変えられる」
「人生は自分の思い通りになる」
「頑張らなくても、そのままであなたは素晴らしい」
そんな言葉が飛び交うセミナーを聞きながらNさんは目を輝かせ、時には涙ぐんで頷いていました。
セミナー後、感想を聞かれました。
「素晴らしかったですよね、どうでした?」
Nさんが折伏セミナー後の婦人部に見えました。カバンの中からは、自己啓発セミナーの本と入会申込書がのぞいています。
「まったくもって空疎な内容ですね。聞こえの良い言葉を並べてはいますが、その実、根本的に人間を変えることは出来ない教えです。その時の気分を高揚させるのが関の山でしょう」とは、とても言えません。
「言われている内容は全て既に知っているものでした。しかし、僕が教わっている教えに比べれば、部分的なものですね。全体像を捉えてはいないと思います」とお伝えするとNさんは「あなたなら、きっと分かっていることばかりですよね。そんな気がしていました。あなたの教わっていることとは何ですか?」と聞いてきました。
時間の都合で「また後日お話しします」とだけお伝えし、その時はお別れしました。
それ以降も経営者の勉強会では何度か顔を合わせていましたが、私も関西での着任や会合、新潟での勤行指導で毎月バタバタしており、東京でも仕事や勤行指導があるため、なかなかNさんと仏法対話の時間を取れずにいました。
そんな折り、任用試験の輩出の戦いがありました。
私は当時、東京の友人一名と、新潟で私が折伏した新入会メンバー二名に勤行指導をしていました。
彼らには任用試験を受けてもらうことにしていましたが、勝手に気前よく、いつもお世話になっているそれぞれの地元組織の成果にしており、我が地元・S支部の成果となっておりませんでした。
A地区婦人部長から電話があり、とても辛そうに「その人たちの成果、なんとかこちらに回せませんか~?」と言いづらそうにおっしゃいました。そんなこと言いたくなかったのでしょう。声が震えています。私の心まで震えました。
「なんということを言わせてしまったのだろう」
申し訳なさで心はいっぱい。
しかし、東京と新潟の組織にも本当にお世話になっており、「やっぱり成果、返して」などとは口が裂けても言えません。
目標に足りないのは2人。友人に連絡し、素直に受験できる友人を見つけ、一人はすぐに輩出。もう一人を考えていた時、Nさんのことが思い浮かびました。
Nさんに電話し「試験があるので勉強しませんか?私の勉強している教えを学べますよ」と言うと「ぜひ、お願いします」とのお返事。
この結果をお伝えした時のA地区婦人部長のお喜びの声は忘れられません。
こんな経緯から、Nさんとの教学勉強会が始まりました。
ただ、それまでNさんには一言もそれが創価学会の話だとは言っていませんでした。
勉強をはじめるにあたり、Nさんに創価学会の教えであることをまず伝えました。
反応は特になく「そうなんですね」と普通に受け止めていました。
「Nさんの通っているセミナーでは『苦難は幸福の門である』と言われていますが、仏法では『苦難即幸福』なんです。門ではなく、苦難こそが幸福なんです」とお伝えしたら、「すごい!レベルが違いますね!」とすぐに感動されていました。
転重軽受法門の「地獄の苦しみぱつときへて」(一〇〇〇頁)の御文を勉強した時には「パッと消えるんですね!すごいです!!」と何の疑問も差し挟まず、仏法に確信を得ていました。
十界論からスタートし、生活に即した部分から勉強を始めました。日々の生活の中での心の動きに全て原因があること、自分の生命を見つめることで、軌道修正ができること、南無妙法蓮華経というチャンネルに自分の生命を合わせることで様々なタイミングと自分の行動が合致していくこと、それは自分のみならず周りの環境から全宇宙まで遍く影響することなどを話しました。
話は任用試験の範囲を大きく逸脱し、依正不二、九識論、一念三千などまで広がりました。いつも脱線ばかりするので、試験範囲の大部分をNさんは家で自習し、分からない部分を質問しにくるというスタイルになりました。
私が仕事の締め切りに追われている時は、パソコンで原稿を打つ私のかたわらで、Nさんが大白蓮華を音読するという時もありました。
深夜のファミリーレストランで黙々とパソコンに何かを打ち込む男の向かい側で、御書を音読する女性。二人のまわりに、何故かほかのお客さんは座ろうとしませんでした。
Nさんが勉強を続けられたのには訳があります。
勉強を始めてからNさんの仕事の成果が目に見えて上がり始めたのです。
人間関係の悩みもどんどん解消されて行くようでした。表情もどんどん明るくなって行きました。
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