2-4 広宣流布が進むなら、何でもいいし、誰でもいい
博士 ポスト池田SGI会長時代は、すでに始まっていたんですね。それ以前の時代と違うポイントは、他にはありますか。
チェ 〈ストレイト・アウタ・学会員〉でも触れましたが、学会員か、そうでないか、内部か外部かといった区切りが、これからはあまり意味を為さなくなります。
地涌の菩薩は、創価学会の外にも存在しています。なぜなら学会活動は広宣流布の一部であり、学会活動じゃなくとも広宣流布は進むからです。私は広宣流布が進む働きをする人材を〈広宣流布員〉と呼んでいます。
これまでもそうでしたが、これからはますます学会員の枠組みを超えて、〈広宣流布員〉という視点で人を見ていかなければ、短視眼的な結果や数値化される成果ばかりに振り回されてしまいます。
博士 たしかに創価学会の出現以前から広宣流布は存在していたわけですから、学会活動以外にも広宣流布はあるはずですね。明確な線引きが難しく、輪郭が曖昧な広宣流布にくっきりした「これが広宣流布」という型を作ったのが、三代の会長の大きな功績では無いかと思います。
先ほど語られた定義は、広宣流布とは勤行・唱題を弘め、人間の可能性を開花させることでしたね。勤行を弘めやすくする。また可能性を開きやすくする働きをする人は、当然、学会員以外にもたくさんいると考えられます。
チェ 広宣流布を〈弘める〉という観点から見れば、重要なのは「仏法によって世界が平和の方向へ進む」との認識・信頼を弘めることです。
博士 池田SGI会長の活動が、まさにこれですね。イデオロギーも宗派も超え、キリストやイスラム、社会主義の識者とも対話を重ねられています。
チェ 当然ですが池田先生は、そういった識者を折伏はしません。創価学会に帰依せずとも、その人のいる立場で、その人にしか進められない広宣流布があるからです。
博士 学会員でなくても、広宣流布を進める働きが出来る。「無限」と言えるほど広宣流布の活動が存在することになりますが、では学会活動とは何なのでしょう。
チェ 代表的な学会活動に折伏、選挙活動、新聞推進、財務、会合結集などがあります。これらは池田先生が確立してくださった〈広宣流布を進めるルーティンワーク〉です。ここに目標や、対話の落とし所をつくれば、広宣流布が進むのです。
学会員と学会の組織はこのルーティンワークに習熟しました。その過程でルーティンの意義は広宣流布を進めることではなく、ノルマを達成すること。達成して高らかに「大勝利」を宣言することに変わってきています。
博士 前作で提唱された「悪しき大勝利主義」というやつですね。
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