麻雀プロになるべき人とそうでない人
今回は麻雀プロについてのお話です。
私の身の回りにも最近プロになった人や、これからプロになろうか迷っている若者が多くいます。「麻雀プロになったほうが良いですかね?」といった質問をされることもちょくちょくあります。
私自身はいわゆる五団体様の所属ではないので、そちらの内情については所属している友人などから伝え聞いた話しかわかりません。
その一方で「麻雀を人生の柱として生きていく」ことについてはかなり自分で考え、実行しているつもりです。
今回はそんな半分客観、半分主観で麻雀プロ業界を眺めている私の立場から、麻雀プロになる意味と、どんな人ならなって損をしないか、ということについて話していきたいと思います。
結論から言うと「競技麻雀に魅力を感じないならプロになる必要はない」と私は考えています。
まず、麻雀プロになる意味というのは大きく分けて2つあると思います。
・競技の場としての意味
・麻雀を仕事にする上で有利に立ち回るためのライセンスとしての意味
一つ目は純粋に、競技麻雀というフィールドで勝負がしたい、自分の強さを証明したい、麻雀を極めたい、そんな欲求を満たす場所としての意義です。
もしかしたら「あんな短期の試合で強さを競うなんて・・・」と考えている人もいるかもしれません。もちろん、それは合理的な考えなので否定はしませんが、少なくとも私個人の考えでは「対戦数を区切るという形式は麻雀の最も楽しい遊び方である」と思っています。もっとシンプルに言えば、雀荘メンバー経験や天鳳にのめり込んだ経験と比べても、競技麻雀というものの楽しさは同等以上だと思っています。
もちろんこれは主観でしかありませんが、そう感じる人は多いからこそ、ネット麻雀という長期成績を競える場が成熟した現在であっても、競技麻雀に熱くなる若者が一定数存在するのではないでしょうか。
というわけで、まずはこの競技麻雀というゲーム(そもそも厳密なことを言えば、対戦数を区切る時点で無限回数の平均成績が求められる麻雀とは別のゲームなので、それに対してただ半荘数を多くすべきだというのは少しズレています。1000半荘のリーグ戦をするのではなく、40半荘のリーグ戦を1000回やることが「競技麻雀における長期成績」なんじゃないかなと個人的には思います。はい、完全に話が脱線しました。)に魅力を感じる人は掛け値なしでプロになる価値はあると思います。
またこれに付随して人脈ができるというのも非常に大きなメリットですね。
麻雀プロは新人からトッププロまで(私が知る限り)本当に麻雀が好きです。ずっと麻雀の話してます。
大学時代、「平澤くん麻雀打てるの!俺も好きなんだよね!」みたいなことを言って絡んでくる同級生や先輩達はだいたい大した熱量ではなく話が噛み合いませんでした(せめて科学する麻雀くらい読んでから話かけてくれと思ってました)が、最近は周りのプロの熱量がすごすぎてむしろ「俺ってそんなに麻雀好きな方じゃないのでは?」と思ったりするくらいです。
居酒屋で何時間も麻雀の話だけをできるような人と会社で出会うのはなかなか難しい話です。もし自分が「そちら側」の人間であるならば、そんな人といくらでも出会える場として麻雀プロになることで人生の幸福度を大きくあげることができるはずです。
ビジネス面についてはこれから書いていきますが、そういった人脈がビジネスにおいて役立つこともきっとあるでしょう。
というわけでこちらが本題ですが、2つ目のビジネス上有利に対するライセンスとしての意味についてはどうでしょうか。
Mリーグという夢の舞台ができたことはもちろん、雀荘経営やゲスト活動、書籍の出版といった仕事は麻雀プロであることによって有利になることがあります。
これをもって
「自分には麻雀しかない。麻雀プロの世界はまったく知らないけれど、麻雀で生きていくと決めた以上プロになるべきなんじゃないか。」
と考える若者を何人も見てきました。
それはちょっと待ちなよ、と言いたいわけです。
プロ団体に所属する=ライセンスを購入する
まず、ご存知の方も多いと思いますが、基本的に麻雀プロになったからといって報酬を貰えるということはなく、(基本的に、ほとんどの団体において、例外はあるが)逆に会費を納めることになります。
会員(プロ)側としては、この時点で収益としてはマイナスなわけですから、「麻雀でビジネスをする」という意味において麻雀プロになるというのは、お金を払ってライセンスを購入しそのライセンスを使ってそれ以上に稼ぐための行為、であると言えます。
たまにプロ団体は会費ビジネスだ、といって批判する人もいますが、私はまったく問題ないと思っています。私にとっては会費というのはそれに見合う経験をするための投資であり、実際十分に見合うリターン(純粋に金額だけ見ても会費<印税やYouTubeの広告収益ですし、そうでなくても上記のような競技麻雀の楽しさだけでも満足しています)を得ているからです。
ライセンスの価値は?
しかし全員が全員、ライセンスの恩恵を受けられるわけではありません。となると当然、客観的に考えてそのライセンスには投資(会費+時間)の価値があるのか?というのがポイントとなります。
最近はプロでなかったとしても
・雀荘ゲストに定期的に呼ばれる
・麻雀戦術書を執筆する
という、これまでプロの仕事と思われてきた活動をする人が増えています。戦術書の分野で言えばここ数年は間違いなくプロではない人の書いた本の方が高い売上を誇っています。
インターネットの登場によって起きた「影響力」の変化
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