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仮想編集後記3

▼このマガジンのサムネイルにある「編集後記」という文字は20文字✗10行の200文字詰め原稿用紙に書いてみたものだ。50ワードである。
▼「千字文」というものがある。千文字が重複せずに、文章になっていて、それを書き写して文字の練習をする文章だ。さまざまな書家が見本になる千字文を出している。私も一時期、千字文をやっていた。それを思い出し、その勢いで書いてみっぺかと取り組んだところ、あえなく80文字くらいで手の握力がなくなり、一気には書けなかった。恐るべし我が身の弱体化。

本の表紙。三種類の文字が乗っているから「三体」。どっかのSF小説みたい。
本の中はこんな感じでお手本が載っている。
いろんな種類の千字分のテキストが出版されている。


▼いや、このペラペラのわら半紙の原稿用紙に書くときには、愛機であるハイテクのPILOTジュースアップ(2016年発売開始)は滑らか過ぎた。ペンのせいなのだ。紙とペンはマリアージュがある。そのことを甘く見てリングに上がっていた。
▼ちなみに、200字詰めの原稿用紙はマスコミ業界的には「ペラ」と呼ばれる。ペラペラだからだろうか。こんなことを知っている人はもはやほとんどないし、職場で「おい、ペラとって」みたいな発声ももはや聞かない。昔は15字詰めとなると、原稿用紙の15文字目に横に定規を使って線を引き、新聞や雑誌の字詰に合わせて原稿を書いたものだ。と言いつつ私はもうワープロの時代の新人類(苦笑)。見出しで何文字と決まっているときに、ごくたまにそうやるくらいだ。
▼BICのボールペンは、日本のガラパゴス的に進化したハイテクボールペンの乗り手からすると安っぽくて極めて使いづらい。使い捨てペンのようによく無造作に職場に転がっている。BICを愛用している人は、文房具にこだわりのない人か会社の支給品しか使わないケチなのかと思っていた(BICさん、すみません!)。

▼ところが、BICの評価の低さ(本当に低いのか?)は相性の問題だったことに今更気付いた。いくら牛乳が好きだからといってうな重を食べながら牛乳飲みますか? 飲みませんよね。あんぱんに牛乳。いいですよね? そういうことです。それほど、わら半紙のペラとBICさんは相性がよかった。BICさんでないと困ると思うほどだ。しかも耳にはさんだりするのも似合う。BIC舐めんなよ! 
▼ちなみに、ほかにもわら半紙と相性がいい機体が、ぺんてるの水性ボールペンB100だ。インクが絶妙にわら半紙に吸込まれて裏写りしない。鈍行列車のように優しくペンを走らせることができる。職員室に似合う逸品だ。

▼ぺんてるS520も普及の名機。水性ペン界「不動の4番」(と思う)。わら半紙のみならず、どんな紙にも合う。太字なのでこれで取材メモを取る人はどうかとは思うけれど。でも、いたな。どんだけノートに大きなで字で書いているのか。ノートの無駄遣い過ぎる。サインしてんじゃないんだぞと。

▼話は脱線したが、最近は「ジャーナル」という自己啓発が流行っている。朝に日記を書いたり、自分への誓いなどをノートに書いて目的達成への生産性を高める行為だ。ポイントは紙に書くことだ。紙に書くことでなにやら目的が可視化、物理化される。より成功が近づく、というわけだ。そんなあなたにも紙とペンの素敵なマリアージュに訪れますように。   (H)

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