終演挨拶/ルドルフへ

遅くなりましたが!!
route.©️ 5th anniversary JuNkRooM.Ⅱ 全公演終了いたしました。


クラファンご支援いただいた皆様、
ご来場してくださった皆様、
配信買ってくれた皆様、
作品に尽力してくれたキャストスタッフ、
何よりこれまで支えてくれた劇団員、

ありがとうございました。

たくさんの背伸びをして、ボロボロになりながらも駆け抜けた公演でした。
自分の弱さや無力さ、そして周りのみんなの頼もしさを知りました。

ごめんなさい、も数えきれないですが、ありがとうの方をたくさん言わせてください。

本当に本当にありがとう!!

JuNkRooM.シリーズは、もう再演はありません。
というのも、私が満足してしまった。が一番大きな理由でもあるのですが、noteだけで語らせていただきたい理由もあって。

ロゼ役 大屋沙季
スピカ役 小泉日向
ニコ役 深町あみ
テト役 小林梨花

箱庭四部作、配役はところどころ変わったとしても、主演4人は変えていません。
そして箱庭四部作は、リズ役の久保朗子、マリアンヌ役のまひたん、初演ミラと初演シュシュを演じた喜田よつ葉(現在は退団)など、初演の頃から出会い劇団員や提携としてroute.©️に深く関わってくれた子達が多数いるシリーズです。
そんな彼女たちに、宛て書きで作ったキャラクターも多く存在しています。

今後もしJuNkRooM.を再演するとなったら、そのキャラクター達を今回みたいにみんなが演じる、というのは難しいでしょう。

宛て書きをした以上、なかなか、特に主演組に関して、別の人が演じるのはなぁ…と思ってしまうのです。

劇作家の私の今後の課題として、「劇団の財産となる作品をつくる」というのがあります。
それは、「この人がこの役をやらなきゃこの作品は成立しない」という縛りを超えることだと思っていて。

まだそんなこと意識せずに作った箱庭四部作は、今回で終わりだな。終わりにして次に進むんだ、と決意しました。

あ!もちろん、「こいつがこれやったら最高だな!」という気持ちでこれからもキャスティングするけどね!


最後のJuNkRooM. 初演から続投のレッタ役、藤真廉が千秋楽後に「あー!5年間楽しかった!」って清々しい感じで言ってるの、聞けて本当幸せだったな。
他のみんなも、そう思っていたら幸せだな。どうだろう。
私はね、これが終わりでよかったなって思います。

5周年ってキリも良いし。

な、小林。

再演ないので、ぜひ、観てないよ〜って方は配信もチェックしてください!観たけどもっと観たいよ〜な方も!

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三作品セットが断然お得です!




もう少しだけ語らせてください。
一役者として。
5年間私が演じた、ルドルフのこと。


ルドルフは、箱庭という工場において、そして物語において"機構"でしかない、というのは私から私に課した演出でした。
「空を駆ける、逃げ出すための唯一のシステム」がルドルフであり、彼の存在はこの物語におけるチートというか、奇跡そのものです。

ただ奇跡なんてちっぽけだから、奇跡ひとつで世界は変えられない。

スピカとミラを乗せて空を駆けた瞬間、神さまにも抗えるような気がした。
神さまには結局抗えないことを知りながら、ぼくはレッタとロゼに手を伸ばした。

ルドルフと私は違うな、私はルドルフみたいな大人になりたいなんて初演再演で思っていたけど、なんだか今回の彼は弱くてズルくて、よくないところばかり私に似ちゃったな。

ハシムみたいな愚直な強さがあれば、せめてモーガンくらいは救えたかもしれないのに。その強さも覚悟も無かったんだ。ルドルフは。

私はこれからも、世界を変えることは出来ないくらいの奇跡を生むために、物語を描くのだろう。
救う強さも覚悟もないくせに、無責任に気まぐれに、手を伸ばしてしまうのだろう。


5年間どうもありがとう。
似たもの同士、大嫌いで大好きでした。


「さぁ、聖夜を駆け抜けよう!」

ーJuNkRooM.Ⅱ fin
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