リード文100本ノック#18―美術手帖
リード文をすらすら書けたらいいなあという思いではじめた、リード文を模写してみる週1企画。第18回は3週間くらいまえにノートに模写した美術手帖の記事について。今回は3本で、累積71本。
「違う私」になることを望んでいるアーティスト。横尾忠則インタビュー
2021年1月、巡回展「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」が愛知県美術館でスタートした。来年の上海での展示を含め、この1年間、横尾忠則はスポットライトを浴びる。
自己と自己の芸術についての「語り」は、横尾の芸術の重要な要素だ。彼が自己をどのように認識するのかを解明するため、筆者と取材チームは60年代以降の資料を読み直し、3ヶ月にわたるインタビューを行った。海外中国語版の自伝の刊行10周年を機に、横尾の自我やエネルギーの源、想像力を振り返ってみたい。
まず3ヶ月にわたるインタビューというのがすごい。インタビュー記事のようでいて、筆者のエッセイのような感じであるのもおもしろい。横尾さんはもう50年近く日記を書き続けているそうです。特に、10年間の日記をまとめて、年はランダムだけど日付だけ連続させた1年日記をつくるというのはたのしそう~と思いました。
「この日記は10年間のまとめだ。このページは1992年でしょ、このページは1985年でしょ。5月31日、6月1日......日は連続しているけど、書いた年はランダムだね。この10年間で面白いページを選んで本をつくったんです」。
アーティストがセクハラ加害者の場合、美術館が書くべき3通りのキャプション。「ゲリラ・ガールズ」が1枚のポスターを掲示
ゴリラのマスクを被った、匿名のアクティビスト集団「ゲリラ・ガールズ」。1980年代より美術業界に蔓延するジェンダー問題や不正を訴えてきたグループが次に目をつけたのは、「#MeToo」ムーブメントに対する美術館の対応だ。
他にもジェンダー視点からみた美術業界の課題について書いた記事がいくつもあるよう。「ピカソによる女性の扱いに抗議。スペインの美術教授らがピカソ美術館でサイレントデモ」という記事も。そのデモを行った教授のアカウントはInstagramによって削除されたそうで、その対応はどうなんだ、と思いましたが、一方で、ピカソ美術館館長の「美術館で人々が自分自身を表現することは素晴らしいことです。それは議論が行われるべき場所なのです」というコメントはすばらしいですね。
自民党有志が新設目指す「国旗損壊罪」は表現の自由を脅かすか? 憲法学者が解説
日本を侮辱する目的で日本国旗を傷つける行為を罰する「国旗損壊罪」を盛り込んだ刑法改正が、自民党の議員有志によって再提出される可能性が出てきた。この法改正が「表現の自由」に与える影響とは何か? 武蔵野美術大学で憲法を教える志田陽子が解説する。
時事ニュースについて解説する硬派な記事も。こういう抽象的なものに対する誹謗中傷というのは、特定の物事やひとへの誹謗中傷よりも、表現の自由にあたるのかの線引がむずかしい。。ただ、下記の引用部分のところはそのとおりだと思うし、教育現場の国歌斉唱に対する「消極的な不同調」に対して戒告が存在するのはおかしい、と思っています。
「強制しない」ということは、否定を意味してはいない。日本国憲法は、「愛」を定義も強制もしていない。しかし、そのもとに暮らす人々が自発的に愛情に基づいた人間関係を形成したり、国や郷土に自発的な愛着を感じたりすることについては、その「自由」を妨害するな、という規定を随所に持っている。
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