床(管理作業)
「平飼いでニオイを出すなんて、鶏を飼う能力が無い証拠だよ」
とは、ある養鶏農家のつぶやきです。
この方は「バカに農業はできない」とも仰います。なかなかに辛辣です。
それでも大切な視点を含んでいるので、私自身に向けられた言葉として戒めにしています。
そして開業以来ずっと、この言葉に支えてもらっています。
さて実際、ニオイを出さないだけならとても簡単です。
まずヒナ導入までに、敷料としてモミガラを敷いておきます。
鶏糞がたまってきたら、撹拌作業をするだけでニオイは出ません。
投入するモミガラは、40リットルのモミガラ袋に50~60袋くらいです。
ケートラックの荷台にコンパネで壁を作れば3~4台分でも同じ量になると思います。投入するのはそれだけ、作業もかきまぜるだけです。
でも、どうしてそれだけでニオイが出ないかの説明は出来ませんでした。
説明が出来るようになったのは、農業大学校で牛糞の堆肥過程について学んだ後です。
牛の場合は、牛糞を堆肥舎に移動して撹拌しながら堆肥化します。
鶏の場合は、鶏舎の中で飼育と同時進行で堆肥化します。
そこで起きている現象は似ています。
モミガラを投入して、かき混ぜるだけでニオイは出ない
この事を理解するには酸素条件と成分バランスの2つの面から見る必要がありますので、次回から2稿に分けて概説します。
概説しますが結論は「酸素と炭素を供給すればよい」です。
そして、そのために最適な資材が、敷料としてのモミガラです。
鶏糞に含まれるチッソに釣り合うだけの量を入れておけば、最後まで炭素を供給してくれます。
形状が中空なので、大雛を導入してしばらくは床の撹拌作業が要りません。
昨今問題視されがちな二酸化炭素の放出に対しても、植物資材なので気にする必要はありません。
モミガラは入手性が良いこともあり、これに勝る資材は無いのではないでしょうか。
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