早稲田佐賀中で「新思考入試」スタート(2022年入試から)
7月30日に学校ホームページで発表されました。
2022年度入試より新たに実施される「新思考入学試験」のサンプル問題を公開します。新思考入学試験は,求める生徒像を下記の通りとし,2021年12月5日(日)に本校(唐津市)と早稲田大学にて実施します。
○柔軟な思考力をもち,的確に自己の考えを表現できる力を持っている生徒
○基礎的な知識・技能,および正確な語彙力や計算力を身に付けている生徒
試験科目は「総合Ⅰ・総合Ⅱ」または「総合Ⅰ・英語」です。詳細は9月末に公開される募集要項をご覧ください。
早稲田大学でも「新思考入試」
大学入試改革の流れで早稲田大学ではいち早く「新思考入試」が導入されています。地域連携型では地域の課題をテーマとして事前にレポートを作成するなどし、共通テストの成績も踏まえて合否が決するというスタイルの入試。近年、首都圏からの進学者割合が増える早稲田大学が、かつてのように地方から学生を取り込むために実施している新しい取り組み。今回は、同名称の試験が早稲田佐賀中学で実施されることとなりました。
形態は公立中高一貫校型
ここ10年くらいの動きとして全国的に公立中高一貫校の新設が相次ぎ、都立を中心に大学進学実績も好調なことから、各地で大人気となっている公立中高一貫校。その入学試験(「検査」と呼ぶところが多い)は独特で、従来の私立中入試のような「国語」「算数」といった科目のテストではなく、科目横断型で資料を読み解いて記述で解答させるスタイルが主流です。
今回の早稲田佐賀中の「新思考入試」ですが、まだサンプル問題を見ただけで、精査したわけではないが、公立中高一貫校の入学検査に極めて近い形式であると判断できます。新思考試験をメインに対策するとするならば、公立中高一貫校受検用のテキストが良いでしょう。
総合Ⅰの方が理数系。総合Ⅱの方が文科系(この問題だけで判断すると社会科学系)。英語を選択する場合は、理数系+英語となるよう。英語はだいたい英検3級くらいのイメージ?
公立中高一貫校と併願が可能に
今まで早稲田佐賀中を目指す場合は、久留米附設やラ・サール、青雲といった九州の難関中学と同じ対策が必要でした。国語・算数・理科・社会です。しかしながら、今回の新思考試験導入により、公立中高一貫対策で早稲田佐賀中も併願できるようになります。
福岡県・佐賀県・長崎県で公立中高一貫校を目指す裾野は広いです。その中には、各地の県立トップ校で学力上位となる層も多くいます。今回の早稲田佐賀中の施策としては、この層にリーチするというところでしょうか。また科目の学力だけではない別の尺度による入学者を確保し、生徒の能力の多様化をはかるという目的でしょう。
従来のA・B2日程で実施していた入試により、九州で最も受験生を集める学校となった早稲田佐賀中学校。今回の新思考入試を踏まえて、入試の実施回数などに変化はあるのでしょうか。単純に新思考試験が追加と考えると志願者数は九州の中で圧倒的なもになると予想されます。入試の詳細は9月末に発表される募集要項で要確認。
長崎日大中の第1回入試と入試日がバッティング!?
かねてより、長崎日大中でも公立中高一貫校志願者が併願できるスタイルの入試が実施されています。長崎東中、諫早中、佐世保北中の志願者が1月の検査を前に、長崎日大中の第1回入試を受験します。内容は「適性検査」+「作文」という構成です。
今回、早稲田佐賀中が新思考試験に設定した入試日と長崎日大中の第1回入試の予定日(例年12月最初の日曜)が重なります。早稲田佐賀中には長崎県からの進学者がとても少ないことから大きな影響は無さそうですが、受験者の動向が気になるポイントではあります。