四谷大塚「進学くらぶ」を用いた中学受験対策〜小4〜
カリキュラム改訂が波紋を呼びつつも、中学受験界では圧倒的シェアを誇る四谷大塚の『予習シリーズ』を使い、自宅で学習することが可能な「進学くらぶ」。『予習シリーズ』や『演習問題集』こそ購入の必要があるものの、その解説授業が通塾の塾授業料と比較して安価で受講できる上に、毎週の週テストまで受験が可能という太っ腹っぷり。一方で教材が満載で使いこなすことが難しくもあるので、割り切り方、取捨選択法を紹介。
新小4(小3の2月)から受講を開始
予習シリーズのカリキュラムは新小4からスタート。とにもかくにも中学受験の可能性があるならばこのスタート時期に乗っかるのがベスト。後から始めて間に合わないことはないけれど、追いつくコストがかかってきます。
例えば小5からスタートするとして、対策なしで予習シリーズの小5からスタートするのはとても困難。小5だったとしても予習シリーズの小4相当のレベルのテキストで学習をスタートする必要性があり。「進学くらぶ」の解説動画がないとすると、保護者が自宅で教えるか、家庭教師や個別指導をつける必要性が出てきます。「進学くらぶ」の動画で解決できるためにも小4からのスタートが無難、必須?です。
最優先は算数
算数のマスターには時間がかかる
苦手とする生徒が多いという点と、入試本番までにマスターする内容のボリュームという点から、とにもかくにも算数の学習をスタートするというのが無難な戦略です。
とりあえず地元の私立中にという方で小6から中受対策をスタートという方も塾に来ますが、他の科目はなんとかなっても算数がほとんど太刀打ちできずに終わります。定員などの関係で、入試結果的には合格はしますが、進学後に中受算数を勉強してきた仲間と切磋琢磨になるので、入ってから大変かも知れません。
一方でなかなか中受に対して本腰が入らない、ずるずると入試直前まで受験を迷っているというケースも、とにかく中受算数だけでもテキストをひと通り解いておくだけで本番はなんとかなります。算数が全体の点数を踏みとどまらせるというところと、国語の漢字、理科・社会の暗記事項の直前の追い込みで点数自体は前日あるいは当日まで伸び続けるみたいな状態で入試に臨めます。
入試で最も差がつくのは算数
言わずと知れたことではありますが、入試本番で最も点差がつくのが算数です。そもそも科目の配点が大きいこと、1問当たりの配点も大きいことがその大きな要因で、実際に各中学の合格者平均と受験者平均を比較すると算数が最も開いている学校がほとんどです。
ラ・サール中は国・算が100点満点、理・社が50点満点です。志望校の配点を踏まえて学習時間を考慮するのはもちろんのこと。私の感覚だとこの平均点の差に応じて学習時間を配分するべきではなかろうかと。理・社を1とするならば国語が2、算数は4、学習するくらいで対策として適当。
ということで、何か受験勉強を始めるということならば、とにかく算数と結論づけます。
算数の学習法と優先順位
まずは『計算』(かつての『計算と一行問題集』)
学習習慣を身につけるという意味でも『計算』テキストを1日1ページ解いていくルーティーンを確立させます。四谷偏差値40〜50くらいの中学校であれば、この計算と一行問題を固めていれば足を引っ張ることはない、というレベルまで到達できます。逆にここに穴があるといくら難しい問題を解いても力は積み上がっていきません。
直接書き込みで良いでしょう。『計算』テキストを2周・3周もする余裕は無いのではないかな、、、と。精度が高いならば暗算でも問題ないでしょう。間違えるようであれば、どこで間違えているかを客観的に診断する必要があるので、計算過程を書かせる必要が出てきます。
『予習シリーズ』例題と類題
「進学くらぶ」には例題の導入授業の動画があります。内容は丁寧だしテンションも小4向けで完成度は高いです。が、小4生にとってはいささか冗長な印象です。
解き方を隠して例題を解く。解き方を見る。類題を解く。を1つのフローとして、順番に解いていきます。例題をどう解いて良いか分からないというときに、ピンポイントで解説動画を見るのが良いでしょう。まずは問題を考えてみるという学習姿勢を築くことが重要です。未知の問題は解説されるものという姿勢が出来上がるとやっかいです。
『予習シリーズ』基本・『演習問題集』反復(基本)
まずは『予習シリーズ』の基本問題を解く。丸付けをする。解き方が分からないものについては「進学くらぶ」の動画を見る。翌日など、時間をおいて『演習問題集』の反復問題(基本)を解く。それでも分からないものは、もう1度動画を見て解き直してみる。
最低限こなしたい内容はここまでです。少なく感じるやも知れませんが、逆にここまでは基礎基本として徹底して進みたいところ。基本問題の理解も不十分な状態で練習問題や実戦演習に突っ込むのは時間だけが無駄に過ぎる可能性大です。もう1度、例題や基本問題を解き直す時間や、他の科目に充てた方が学習効果は高いでしょう。割り切り。
「高速基礎マスター」は一旦おいておく
システム的には完成度が高く有用性も十分理解できます。大学受験の東進での英単語の高速マスターなど、その効能も熟知しております。が、小4生にとっては無味乾燥が過ぎるかな、と。余力があればやって良いですが『計算』テキストと被る内容もあり、受験勉強を本格化する小5や小6段階で苦手を浮かび上がらせるために利用しても良いのかな、と。現時点で小4に必須とは感じられていません。
週テストは受けなくてもOK、ダウンロードはしておく
四谷大塚の原点とも言える「週テスト」。『予習シリーズ』+『日曜テスト』で現在の地位を築き上げた。が、かつては小4は『月例テスト』のみだったことを鑑みても、ガチ勢以外は毎週のテストは必須とは言えず。テキストでのルーティーンと、週テスト受験→間違えた問題の復習のルーティーンと、2周回すことで定着というシステムは理解しつつ、負荷が大きすぎる。
週末の週テストの負荷を除くことで、他科目の学習への時間の割当が増やせるならば、毎週の受験を回避した方が良いでしょう。四谷のカリキュラムのペースで学習できているのならば総合回相当の『組分けテスト』は受験して、自分の立ち位置を確認するという具合で良いでしょう。あとは半年に1回の『全国統一小学生テスト』で成績の推移をおおらかに見守りましょう。
もったいないので週テストのデータはダウンロードしておきましょう。先々で「なんか場合の数の定着が悪いんだよな」みたいなタイミングで、該当単元の週テストをプリントアウトして解いてみる、なんてこともできるかも知れぬ。そんな時間はないかも知れませんが、ダウンロード期間が決まっていて、せっかくなので、もったいないので。。。