石田徹也映画の日記 02:メンバーシップ
石田徹也画伯の映画の脚本を作っています。なぜ「書いています」ではないのかと言うと、まだ大きな構造や設定を考えている段階だからです。本当は1月にロングプロットぐらい出来てるはずだったんですけどね。
私の中に確信があるんですが、「監督に脚本を書かせると全く出来上がってこない」という説があります。この説は「コタツに入ったまま寝ると風邪をひく」レベルで信憑性があります。あるいは「地下鉄のつり革を握った手で鼻をほじるとインフルエンザになる」レベルの説とも言えます。
そして、その説を私が強固なものにしているのです。今まさに。
そんな思いがけない角度からの言い訳はいいとして、石田徹也の映画が難しい理由があります。石田くんは短い生涯ではありましたが、メチャクチャに波乱万丈の人生ではなかったのです。
大学で私と出会ってからの石田くんの人生の85%ぐらいが、絵を描いている時間だった気がします。波乱万丈の逆で、ものすごく集中力を発揮して、短い時間で大量の作品を残しました。同じことを濃密にずっとやり続けたタイプです。
そういう画家だったので、生前の石田くんを映画にするのはちょっと難しいんです。毎日毎日、ひたすら絵を描いてるシーンが続く実験映画なら作りやすいんですけどね。むしろ私はそういう映画を作る方が得意ですし。
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