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「SAMANSA」というショート映画を専門に配信する次世代のサブスク。日本発!

私はXのおすすめが嫌いです。印鑑証明を取りに行くことよりも、段ボールをヒモで縛ることよりも、油汚れの弁当箱を洗うことよりも、Xのおすすめが嫌いなのです。強いて言えば、大腸の内視鏡検査の前に飲む大量の下剤と同じぐらいに嫌いなのです。

いやしかし!

たまに新しい発見があることがあります。私が「SAMANSA」というショート映画の配信サービスを知ったのはXのおすすめだったのです。私は短い映画のことを「短編映画」とか「ショートフィルム」と言ったりしてますが、SAMANSAでは「ショート映画」と言っているそうです。「短編映画」って漢字の画数が多くて印象がグチャッとしてるんですよね。「ショートフィルム」はカタカナの隙間が多くてスカスカしてるので、「ショート映画」はバランスがいいのかも知れません。

SAMANSAのサイトを見に行って驚いたのは、「ショート映画のサブスクをガチでやってる勢」がいることでした。しかも、海外のサービスの翻訳ではなく、日本発のショート映画のサブスクです。日本のショートフィルムの世界は小さいので、ショートフィルム界隈の人たちの顔ぶれは割と知っている方なんですが、ここまでのガチ勢が日本にいるとは思ってなかったんです。

私はショートフィルムを20年ぐらい作り続けて来まして、結論として「ショートフィルムは永遠のアマチュアリズム」と思うに至っていました。いろいろな若い人からショートフィルムのマネタイズの相談を受けましたが、私がマネタイズに成功していないので、上手くいく方法を話すことは出来ませんでした。「頑張れば道は開ける!」みたいな無責任なことも言いたくなかったんです。映画の場合、貧困というよりも極貧になっちゃいますから。いや、何なら借金抱えちゃいます。

いやしかし!(2回目)

SAMANSAのサイトからは成功の空気を感じました。Netflixなどの大手の配信サイトに似たインターフェイスで、作品選びに戸惑うことがありません。しかも丁寧なのはサムネイルです。見たくなるビジュアルに、ロゴ化されたタイトルが入っていて、内容が分かる副題も書いてあります。私は基本的に映画の副題は嫌いなんですが、それは長編のメジャー映画がやるからです。有名な俳優が出て、今どきの主題歌で、大手映画会社とテレビ局が作っているのに副題を付けるからです。もう情報過多なんです。

ショートフィルムは基本的にインディーズで作られている作品が多く、俳優も無名な人が多いんです。だから副題があることで敷居が下がるんですよね。私が作る作品は抽象的なタイトルで副題もないので、やっぱり敷居が高くなって見てもらえないんです。「ストイックでカッコいいだろ!」と思ってますからねw。テヘ。

早速、SAMANSAにアカウント登録したらサブスク代は月額370円でした。ちょっと心配になりました。本格的なショートフィルムの配信サービスは長く続いて欲しいからです。私のnoteですら月額500円もしますからね。しかも、読者目線はなく自分の書きたいことを書き散らかして月額500円ですから。傲慢ですよね。

そうこうしているうちに、SAMANSAさんの方から「対談しませんか?」とのオファーを頂きました。偶然とは思えないすごいタイミング。

私がよく聞かれる質問がありまして「平林さんはどうしてショートフィルムをずっと撮っているんですか?」という質問です。私は自虐を込めて「ずっと滑走路を走ってる飛ばない飛行機なんです」と言うんですが、基本的人権のある普通の生活をするには長編映画には飛び込んで行けないんです。

それは単純な計算をすれば分かるんですけど、映画監督のギャラが100万とか300万とかだとします。もっと安い人や高い人はいるでしょうがそんなもんだと思います。1年に1本作っても年収300万円です。1年に2本作れる人はヒットメーカーですが年収600万円です。1本のギャラが100万円だったら2本作っても年収200万円ですよ。1年に3本作ってそれを20年も30年も続けてる人はいまだかつて日本には1人もいないはずです。映画監督には興行収入から1円も入りませんしね。二次使用と言って、DVDとかNetflixなどで使用されるところから映画監督の権利は発生します。興行収入200億円!とか言っても、映画監督は1円も貰えないんです。映画業界は凄まじい世界です。権利とは?人権とは?とすら思います。

だから私には短編映画を作る事しか出来ないから、短編映画を作り続けてるんです。

そんなこんなで、SAMANSAを立ち上げた岩永祐一さんに会いに行きました。渋谷駅の近くにあるオフィスです。私にとって渋谷は庭なのですぐに場所が分かりました。オフィスに入ったら若い人たちがワイワイしてました。私が見てきた映画人とはまた違った空気感の人たちでした。すぐに「ショートフィルムは永遠のアマチュアリズム」ではないかも知れないと思いました。私の考えは古い考えだったんじゃなかろうかと。守旧派だったんじゃなかろうかと!派閥政治だったんじゃなかろうかと!未来が開けている気がしましたね。お世辞じゃなく。

そして、ショート映画についていろいろお話しまして、最後には壮大な目標で一致し「エイエイオー!」で終わったのですw。それについてはこちらのSAMANSAさんの記事に詳しく書いてあります。ぜひこちらもお読み下さい!


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平林勇
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