【じーじのもろもろ】イノベーションのジレンマ⁉️
心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉️
先週、テスラの「逆張りの経営」が実に上手くいっていることを紹介しました。
勿論、じーじはトヨタに頑張ってもらいたいのですが、上記を書いていて1997年発行のクリントン・クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」を思い出しました。
イノベーションのジレンマは、巨大ハードディスクメーカーが衰退したストーリーをベースにした研究で、イノベーションの進展が大企業にとって衰退の原因となる可能性を指摘する理論です。
テスラに対して、トヨタは従来の内燃機関エンジンを積んだガソリン車の製造で大成功を収めてきた大企業です。トヨタは信頼性と品質を武器に優れた自動車を世界中に提供してきたのです。
そんな世界一のトヨタであってもイノベーションのジレンマの理屈で考えると、次のようなジレンマが生じています。
1)技術選択のジレンマ
大企業であるトヨタは、自社の成功を支えてきた内燃機関エンジンの技術に固執します。一方、テスラは新しい電動車技術に焦点を当てて、新市場の先頭を走ることができたのです。
2)組織文化のジレンマ
大企業は堅牢な組織構造を持っています。しかし、そのことが新しいアイディアやアプローチを採用することの障壁になります。テスラのようにスタートアップ企業からの成長組は、より柔軟で迅速な意思決定を行うことができる強みを持っています。
3)顧客ニーズ判断に対するジレンマ
現時点でもHEV(ハイブリッド電動車)の需要は大きく、短期的にはトヨタは素晴らしい決算ができます。従業員に危機感を持てといっても、3兆円の営業利益をあげて満額回答の昇給をしてくれ、製造業トップの高給をもらっている従業員の思考を変えるのは難しいでしょう。しかも従来型の車を求める顧客ニーズは依然として大きく、電動車に経営資源をシフトする合理性がないように見えるからです。
しかし実際の未来は、環境への配慮が高まり、地球温暖化対策の観点からガソリン車の販売禁止が法的に決定されている欧州市場において、内燃機関を搭載したHEVに依存していることは将来的なリスクが大きいとの判断が必要です。しかし、頭では理解できてもBEV(バッテリー電動車)シフトへ社内の一体感醸成は難しいのです。それがイノベーションのジレンマです。
トヨタが内燃機関エンジンに固執してHEVの直近需要に重点を置いたリソース配分をしてしまうと、2026~28年くらいまでは好決算が続くでしょう。
しかし、BEVへの経営資源シフトに遅れるときっと2030年が近づくにつれてイノベーションのジレンマが浮き彫りになり、業績の急降下だってあり得るのです。
そこでトヨタは社長を交代(クルマ屋<内燃機関エンジン>からの脱却)して、今後は加速度的にイノベーションのジレンマに対処する施策の実行を宣言しました。
1️⃣ BEV開発への積極投資
トヨタは電動車技術の研究開発への投資を増やすことでしょう。今や、BEV無くして、未来のマルチパスウェイなし(トヨタの全方位戦略:HEVもやる、PHEVもやる、BEVもやる、そして燃料電池車<水素>もやる)なのです。自動車の需要構造が2030年に向けてがらっと変わります。BEVシフトがやってきます。それに乗り遅れずについていけた時、BEVの欠点を補う全方位戦略が活きてきます。マルチパスウェイは目的ではなく結果的に利を得るための戦略であることの理解が重要になってきます。
2️⃣ 提携や買収の加速
新興の電池関連メーカーやテクノロジー企業と提携するか、必要に応じて買収することで、トヨタは革新的な技術を迅速に取り入れることを考えていると思います。今後1年間のトヨタのM&A発表には注目していきましょう。
3️⃣ ブランド価値の強化
トヨタは環境への取り組みや持続可能性を始め、企業体質のレジリエンスを強調する開示に努めることが必要です。
正論であっても理解されていません。環境対応に消極的な企業と思われています。味方につけるのは投資家だけではなく、世界中の消費者です。
素人が理解できる言葉で正論を伝えていく努力が必要だとじーじは思います。そうすれば、顧客の意識だけでなく、投資家を始めとするステークホルダーに対するブランド価値を高めることができるのではないでしょうか。
トヨタがイノベーションのジレンマを避けるためには、柔軟性を保ちながらも将来の需要予測を見据えた変革と革新を進めることが不可欠になるでしょう。
それは、トヨタ自身だけでなく、下請けを巻き込んだ真の垂直統合の革新が必要になるということです。そこを避けていてはイノベーションのジレンマに陥るのではないでしょうか?
今回も長文になってしまいました。お付き合いありがとうございました。
☆☆☆
(感謝)
▼きしゃこく先生のしゃかせん「Real World Teacher」「您是老師」でじーじの記事を紹介いただきました。きしゃこく先生、ありがとうございます。
日本の戦後復興は、ある意味で使い捨ての大量生産大量消費社会への見事な適応によるものだったかもしれませんが、令和の復活は、使い捨てない資源循環のお手本社会への変革がけん引するかもしれませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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