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【じーじは見た!】後編:改定された水素基本戦略を見てみた⁉️

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉️

さて、今回は6月6日の閣議決定された「水素基本戦略」の改定を取り上げました。

前編では、改定に至った背景として、世界の情勢を見てきました。
本編は後編です。前編から読んでいただけると嬉しいです。

後編では、改定の主なポイントを見ていきましょう。


✅水素を活用しやすくするアンモニア!

日本が誇る水素関連技術をベースにした「水素・アンモニア」利用については、太陽光・風力発電の再エネで先行したヨーロッパ勢に「石炭火力の延命策だ」と日本は批判されてきました。

日本しか主張してこなかったアンモニア利用をどうやら世界も認めざるを得ない方向でエビデンスが揃ってきたようです。

中間整理以降の 水素・アンモニア関連政策の動向 資料1より抜粋
気候変動を止めるという目的達成において、再エネだけでは電力調整できないので火力発電に依存して経済発展を遂げなくてはならない東南アジアの国々では「水素・アンモニア」の活用が効果的であり、世界中の国がヨーロッパ方式でやっても目的は達成できないことをIEA(国際エネルギー機関)がレポートで示し、日本が主張してきたことは、まんざらでもないことをヨーロッパ勢も認めざるを得なくなりました。

水素は、軽くて液化しないと保管に向きません。ところが下記図のとおり液化するためにはマイナス250℃以下にしなければならず結構輸送が大変なのです。

そのことから水素をアンモニアに変えてアンモニアを利用しようというのが日本のアイディアです。(3H2 + N2 → 2NH3)

アンモニアはマイナス77℃で液化しますので液化天然ガスの輸送で世界に先行してきた日本ならへでもありません。

アンモニアは燃やしてもCO2が出ないので、石炭火力にアンモニアを混焼することでCO2排出を抑えられます。そのアンモニア混焼技術で日本は世界に先行してきました。

橘川先生が主張されてきた「アンモニアを石炭火力で混焼」や「メタネーションでCO2からメタンを作って、CO2を出さないエネルギー循環技術を磨く」ことが現実解になってきました。

✅今回の改定のポイントは?

この1枚の資料にポイントが凝縮されています。

「水素基本戦略」の改定のポイントについて 資料1-1より抜粋

字が小さくて見えないでしょうからじーじがポイントを解説しますね。

1)具体的な導入目標の明示
2030年の水素等導入目標300万トンに加え、2040年目標を1200万トン、2050年目標は2000万トンの目標と同時に価格目標も明示した。
現在の100円/Nm3を2030年 30円/Nm3、2050年20円/Nm3とする。

2)導入目標だけでなく、投資規模も明示
世界で一番早く2017年の段階で水素基本戦略を国として立案しておきながら、全く機能しなかったのは、水素産業などという産業分野を育成する気がなく、民間に「やっとけー」と丸投げしたからでした。

そうなると水素ステーションといったインフラが進むはずはなく、トヨタの孤軍奮闘に留まりました。

テスラを応援する政策を矢継ぎ早に出してきた米国とは大違いでした。(早い段階から州や地方自治体がBEVを優先し、通勤時にHOVレーン<High-Occupancy Vehiclesレーンの略で、規定人数以上が搭乗している車のみ走行可能な車線に電気自動車なら一人運転でも走行可能>の使用を許可する等のインセンティブを官民一体で考えてきました。)

今回は、脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の「一石三鳥」を狙い、大規模な水素関連投資を支援すると書いてあり、官民合わせて15年間で15兆円のサプライチェーン投資計画を検討と規模も明確にしました。

これは大きいと思います。水素ステーション等の整備の加速に期待が高まります。

✅水素関連産業が育っていく!

脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の「一石三鳥」を狙って、水素を新しい産業分野として育てていく産業戦略も示されました。

中間整理以降の 水素・アンモニア関連政策の動向 資料1より抜粋
「水素」を明確に主力燃料と位置付ければ、生産、輸送、利用のそれぞれの分野で新規産業が立ち上がり、①脱炭素、②日本にとってのエネルギー安定供給、③経済成長 という一石三鳥です。

水素の生産では、水を電気分解して水素を発生させる水電解装置やそのコア技術分野が育っていきます。

水素輸送の輸送設備では日本はトップクラスの技術を持っています。後は、液化天然ガスのように水素を液化して輸送するための国際規格の標準化をしっかりと勝ち取ることが重要です。

水素の利用に関してはFC(燃料電池)では世界のトップクラスの技術を持っていますので、商用車に活用する際の政府支援(公用車のFCV縛り)や水素ステーション普及の支援、港湾や空港での水素利用への支援をすることで普及に弾みをつけてほしいです。

動き出した「水素」、これからは日本の挽回です。

ただ、ヨーロッパの再エネ圧力を利用して、日本の国土に向かない「太陽光」「風力」を変な政治力👇を使って無理に導入していけば産業競争力を弱めるだけで、給料の上がらない無成長の30年から衰退・貧困の30年の始まりになってしまいます。

後手後手の国会では困ります。個人を利することよりも日本を強くする政策をお願いしますね。

頑張れZ世代!

☆☆☆
(感謝)

▼きしゃこく先生のしゃかせん「毎昼12時」にじーじの記事を紹介いただきました。きしゃこく先生、ありがとうございます。地球上に無尽蔵にある水素を上手に使って、クリーンエネルギーショックにも日本は強かったと言われるように復活です。

【じーじは見た!】前編:改定された水素基本戦略を見てみた⁉️

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