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【じーじは見た!】後編:MSSEという古い概念が注目されている⁉️
心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉️
さて、今回は3月30日の第3回経済財政諮問会議でMSSE(モダン・サプライサイド・エコノミクス:Modern Supply-Side Economics)なんて言葉が出てきていたことから前編では「何故今MSSEか」を見てきました。
後編では、3月31日開催の「我が国の物流の革新に関する閣僚会議」で指摘されていた物流の2024年問題にも切り込んでみたいと思います。
本編は後編です。前編から読んでいただけると嬉しいです。
✅企業部門の過剰貯蓄是正が必要!
最初に経済財政諮問会議で第一生命研究所の首席エコノミストの永濱利廣さんの資料を使って日本の課題を指摘してから物流問題に入りましょう。
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永濱さんのご指摘ごもっともですが、どうして企業が人を安く雇う競争に陥って、中小企業を含めて内部留保をため込んでいるのか?に切り込めていないように思います。
政府は「給料が上がる」のを待つのではなく「給料は上げる」(最低賃金を法的に上げる)ものだと言われています。
でも、結局、外資企業を誘致して彼らに給料を上げてもらい、人材育成もしてもらいましょうでは、情けないですよね。
✅物流における課題とは?
何が問題なのか?というと、既にマスコミでも報道されていますのでご存知の方も多いと思いますが、2024年からトラックドライバーの働き方改革による労働時間の制約が強くなります。
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農林水産省・経済産業省・国土交通省<3省連名>資料より抜粋①
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農林水産省・経済産業省・国土交通省<3省連名>資料より抜粋②
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農林水産省・経済産業省・国土交通省<3省連名>資料より抜粋③
若い人に魅力的な職業ではなくなったトラックドライバー、抜粋②を見れば運輸会社側に危機感はあっても打つ手がないというのが現状なんですね。
じーじが昔見た映画に菅原文太主演の「トラック野郎」というのがありました。この映画は1974年から79年に全10作作られています。
当時は、トラックドライバーの収入は良く、車体を電飾で飾り、ペイントを施して走るアートトラック(デコトラ)に投資する余裕もありました。
ところが、1982年の規制緩和で、それまで運送事業法により、貨物自動車運送事業については、法人のみが経営を認められていましたが、個人事業主によるトラック運送が解禁されました。
これにより、トラックドライバーの個人事業主化が進み、競争が激化し、トラックドライバーの給与が下がったと言われています。更にこれに弾みをつけたのが2002年の規制緩和だったと言われています。
従来は、運送会社を設立するには、複数の資格や許認可が必要でしたが、この規制緩和により、設立が簡単になりました。
また、従来は、貨物運送価格が政府によって設定されていましたが、この規制緩和により、貨物運送価格が自由化され、運送会社同士の自由競争が可能となりました。
その結果が、大手運送会社による低賃金競争が激化し、トラックドライバーの待遇が改善されてこなかった結果、今になって「偉いこっちゃ」という訳です。
✅2024年問題はどうなるの?
結局、法律によって人々の行動は変わり、企業の行動が変わってしまうのです。本当に立法をつかさどる国会の大切さを感じます。
「我が国の物流の革新に関する閣僚会議」で議事録にある経産大臣と総理大臣のコメントを紹介して2024年問題がどうなるかを予測しておきましょう。
西村経済産業大臣
物流の停滞・途絶は、国民生活に深刻な影響、打撃を与えます。最近も、米国におきまして、コロ ナ禍の収束により需要が急回復する過程で、物流が混乱し、物流コストが高騰いたしました。
これは 「2024年問題」に直面する我が国にも、起こりうる事態であります。 このため、製造業、小売業などを所管する経産省としても、関係省庁と連携しつつ、対策を講じて きております。
具体的には、第一に、喫緊に取り組むべき課題として、物流効率化を進めるべく、パレット等の標準化、納品期限の緩和など、荷主企業の商慣行の是正に取り組んでおります。
また、トラックドライバーが適正な運賃を収受できる環境を整備すべく、価格転嫁や取引適正化を推進してきているところであります。
さらに、明日4月1日から公道走行が可能となる自動配送ロボットの開発や普及を促進してまいり ます。
第二に、中長期的な取組として、物資やトラックの空きスペース等の情報を見える化し、それを AI などを使って調整をする、業種を超えた共同輸配送を可能とするいわゆる「フィジカルインターネッ ト」とよばれておりますけれども、こうしたシステムを実現すべく、ロードマップを作成し、標準化 やデジタル化等を進めております。
加えて、この後発表させていただく、「デジタルライフライン全国総合整備計画」策定に向けた検討を加速します。
2024 年度にはドローン航路や自動運転支援道の設定等により先行地域での実装を開始できるよう、関係省庁と連携して必要な措置を講じてまいります。 今後とも、関係省庁と緊密に連携しつつ、物流システムの革新にむけた取組を強化してまいります。以上です。
岸田内閣総理大臣
物流は国民生活や経済を支える社会インフラですが、担い手不足、カーボンニュートラルへの対応など様々な課題に直面しています。
物流産業を魅力ある職場とするため、トラックドライバーに働き方改革の法律が適用されるまで、明日でちょうど1年となります。
一方、一人当たりの労働時間が短くなることから、何も対策を講じなければ物流が停滞しかねないという、いわゆる「2024年問題」に直面しております。
これに対応するため、荷主・物流事業者間等の商慣行の見直しと、物流の標準化やDX・GX等 による効率化の推進により、物流の生産性を向上するとともに、荷主企業や消費者の行動変容を促 す仕組みの導入を進めるべく、抜本的・総合的な対応が必要です。
このため、物流政策を担う国交省と、荷主を所管する経産省、農水省等の関係省庁で一層緊密に 連携して、我が国の物流の革新に向け、政府一丸となって、スピード感を持って対策を講じていく 必要があります。
そこで、1年以内に具体的成果が得られるよう、対策の効果を定量化しつつ、6月上旬を目途に、緊急に取り組むべき抜本的・総合的な対策を「政策パッケージ」として取りまとめてくださ い。 以上です。
皆さん、このコメントを読んでお分かりのとおり、2024年に物流費は確実に上がります。もうそれは予見できます。
翌日配達もできないことはないでしょうが、プラスいくらくださいとなるでしょうね?
MSSEのサプライサイドを語るのも最後は「人」です。
もういい加減、この辺で人を安く雇う競争に歯止めをかけるために中小企業基本法にも手を付けませんか?
1-3月期のGDPが6月8日に公表されますが、名目GDPの数字に注目してみてください。
マスコミは物価上昇を差し引いた実質GDPが大して伸びていないという報道をするでしょうが、給与が上がって、税収が伸びるには、名目GDPの伸びが大事です。最近では見たことない欧米並みの数字が出てくると思います。
人を安く雇う競争を止めたら、名目GDPは日本でも伸びるのです。
MSSEで給与が継続して上がる経済運営が必要です。今増税で水を差したら駄目ですよ!
頑張れZ世代!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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