プラスチックとわたしの食卓。
食事に纏わるパッケージゴミで今日はハードプラスチック編を。オーストラリアでは、プラスチックパッケージはソフトとハードの二種類に分けられる。ソフトプラスチックは袋タイプのもので、ハードプラスチックはお豆腐やヨーグルト、お肉やお魚等が包装されている丈夫な容器を指す。このハードプラスチックは、その商品のラベルにリサイクルマークが表記されていてリサイクルの対象ではあるものの、実際のリサイクル率はオーストラリア環境省の調べによると2017年から2018年までの一年間で9.4%であったと発表されている。リサイクル可能である素材としてゴミ出ししたものの、現実は埋め立てゴミとされてしまうことが殆どであるということ。プラスチックは自然に還る素材ではないため、この先ずっとこの地球上に残るわけだ。それが風に飛ばされたり、動物がごみ箱を漁ったりなどして自然界に出て行ってしまえば、動物たちを危険にさらす原因にも。海洋プラスチック問題はその典型例であるけれど、このゴミ問題は私の身の回りでも起こっていて、近所をお散歩中に中央にストロー用の穴の開いた紙カップの蓋が首輪のように引っかかってしまっている鳩を見かけたときは心が痛んだ。
少し話が逸れてしまうけれど、ここで一息小噺を。私の住むメルボルンには街のあちらこちらにごみ箱が設置してあって一見ゴミがそこらにポイ捨てされることを防ぐことに一役買いそうな気がしないでもないけれど、ゴミが溢れかえっていることもあれば、ゴミが風に飛ばされてしまう恐れもあるので、ゴミは家に持ち帰るが私のモットー。
話をプラスチックの話題に戻そう。オーストラリアのプラスチックリサイクル率のあまりの低さには驚きと同時に、もっと出さない“努力”をしなければと冷蔵庫や台所の戸棚を見渡す。ジャムやピーナッツバター、調味料などある程度保存が効くものに関してはプラスチック容器のものは一切購入しなくなったので、ゴミ問題について考え始める前と比べるとその量は格段に減っている。
次いで食品のプラスチック容器。我が家の場合は、ヨーグルトにひよこ豆のフムス(ちょっとしたおやつによく食卓に上がる)、お豆腐、お魚のパックがハードプラスチックの代表格といったところだろうか。
一つずつ紐解いていくことにする。まずはヨーグルト。私はオーストラリア人の彼と二人で暮らしていて、毎日ほぼ同じ食事を摂っている。大きな違いといえば、このヨーグルトくらいかな。彼は牛乳ベースのヨーグルトで私は植物ミルクベースのヨーグルトを毎朝自家製グラノーラと一緒に食べるのが日課。まずは、瓶入りのヨーグルトを探してみるも、なかなか見当たらず。牛乳ベースのヨーグルトであれば、カスピ海ヨーグルトのように手作りすれば容器のごみも減るはず!と淡い期待を寄せていたけれど、あの酸味が苦手な彼。彼好みのヨーグルトを続行。出来ることならプラスチックではない選択肢を選んでほしいところだけれど、ここは彼の選択を尊重。すべてを完ぺきにしようとすることはそう簡単ではないとこの生活していく上でお互い感じていたことなので、それぞれの考えを尊重し合いながら我が家のプラスチック問題に取り組んでいるところ。一方私は植物性ミルクを使った手作りヨーグルトづくりに挑戦。市販の植物性ヨーグルトを一通り試し、ココナッツヨーグルトが一番相性が良さそうな。手作りも缶入りのココナッツミルクにプロバイオティクスを混ぜるだけ、といたって簡単。ただし、手作りしていくうちに同じココナッツミルクであってもブランドによって水分量に違いがあり、うまく出来上がらずコンポスト行きということも。また、発酵中にカビが生えてくることもあって手作りココナッツヨーグルトは断念。少し前に友人に教えてもらったスーパーでお手頃な瓶入りココナッツヨーグルトを発見し、それ以来毎朝のお供に。実は植物性ヨーグルトが苦手だった彼も、これはオイシイ!と今では一緒にココナッツヨーグルト。ちなみに、最近見つけたレシピでひよこ豆のヨーグルトを作ってみたけれど、これもヒット! ヨーグルトのプラスチック容器問題はこれにてクリア。
続いて、ヘルシーなおやつとしてよく購入していたフムスもスーパーマーケットで販売されているものは全てハードプラスチックであるが故、いつからか疎遠に。あんなに幅を利かせたフムスコーナーなのに何故?と首をかしげてしまう。自宅から少し離れた場所でまたもや友人に教えてもらったお店で瓶入りのフムスを見つけたけれど、彼のお口に合わずリピートとはいかず。それに、なんといってもお店までの距離。フムスに関しては手作りしかないみたい。な~んて言いながら一晩水に浸したひよこ豆を使って今日は朝からフムス作り。少しの手間はかかるものの、彼にお墨付きをもらった手作りフムスはやっぱりオイシイ。これならソフトプラスチックに入ったしょっぱめおやつにも手が届かなくなるので一石二鳥。
と、今日はここまでとしよう。ちょっぴり小腹がすいたので、出来立てフムスを大さじで一口分ぺろっと。