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変形性関節症と間違われやすい膝蓋下脂肪体炎ってなーに?

前回までのおさらい

前回は、変形性膝関節症と診断されている膝の痛みにも色々な種類の痛みが隠されており、その中でも、『鵞足炎』に関してご紹介させていただきました。
今回は、膝の痛みの中で、鵞足炎と同列1位2位くらいに多い
『膝蓋下脂肪体炎』
についてお伝えさせていただきます。
前回の記事をまだご覧になっていない方は、↓↓↓からどうぞ(^^)


膝蓋下脂肪体ってなーに?

膝蓋下脂肪体とは、読んで字の如く
“膝蓋骨(膝のお皿)”の“下”にある“脂肪組織”です。

この膝蓋下脂肪体は、膝と膝蓋骨の間に存在し、膝のお皿の位置を整えたり、クッション材の役割として機能しています。

膝の屈伸運動の際には、曲げると奥に引っ込み、伸ばすと表面に出てくる。
つまり、“屈伸に伴い移動する”という特徴があります。


どんな症状がでるの?

膝蓋下脂肪体炎では
・膝の奥の方が重だるく痛い感じ
・膝のお皿の下辺りの痛み
・膝を深く曲げたときの膝の前側の突っ張り感

などの症状が現れます。

膝を曲げ伸ばしする際に、「カリカリッ」っと擦れるような音がするのも特徴です。

赤◯の部分を指で押してみて痛む方は、膝蓋下脂肪体炎の可能性が高いといえます。

膝蓋下脂肪体炎の原因は?

膝蓋下脂肪体は、膝の屈伸運動に伴い奥に潜ったり表面に出てきたり
“移動する”
というお話をしました。
本来であれば、膝蓋下脂肪体が移動する通り道は広く保たれ、余裕を持って動くことができる状態ですが、この通り道が狭くなってしまい、奥や表面を行き来する際に摩擦の刺激が加わって、炎症が起きてしまうことがあります。

では、通り道が狭い状態とはどのような状態を指すのでしょうか?

それは「膝が捻じれた状態」のことを指します。

膝蓋下脂肪体炎になりやすい膝の状態

膝が痛い人の膝は、多くの場合
上の骨(大腿骨)が内側に、下の骨(脛骨)が外側に捻じれています。
膝が捻じれた結果

膝蓋下脂肪体の通り道も捻じれてしまいます

捻じれた通り道は、まっすぐなときよりも狭く窮屈な状態になるため

膝蓋下脂肪体が摩擦の負担を受け、炎症を起こします

つまり、膝蓋下脂肪体炎は

膝が捻じれて膝蓋下脂肪体の通り道が狭くなること

で発症しやすいということです。

膝蓋下脂肪体炎はどうやったら治るの?

膝蓋下脂肪体炎の原因は膝の捻じれであるということはご理解いただけたと思います。

では、これを治すにはどうすればいいのでしょうか?それはもちろん

“膝の捻じれをとること”

です。膝の捻じれ自体は、足首の影響や股関節の影響を受けやすいため、膝だけでなく少し視点を広げ、足首や股関節を柔らかくする必要があります。

まとめ

今回は、“膝蓋下脂肪体炎”に関して解説させて頂きました。
膝蓋下脂肪体とは、膝のお皿の下の脂肪組織を指し、膝の捻じれによって摩擦の負担がかかり炎症を生じ痛みを引き起こします。
膝蓋下脂肪体炎を根治させるためには、膝の捻じれを解消する必要があり、そのためには足首や股関節を柔らかくすることが重要です。

変形性膝関節症の中でも、膝蓋下脂肪体の痛みが隠れているケースは非常に多くあります。

膝のお皿の下が痛いという方は、膝蓋下脂肪体炎を疑って見て下さい(^^)



HIPs株式会社
TPL認定セラピスト
整体院〜想和〜代表  梅本修央
大学でリハビリテーションについて学び、理学療法士の国家資格を取得
その後大学院に進み修士号を取得、中国広州、中山大学付属病院での臨床研修や若手セラピストのセミナー活動などの経験を経てHIPsに加入
静岡で整体院を経営しながら大阪でHIPsのメンバーとして治療や若手セラピストの育成に取り組む。

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