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変形性関節症と間違われやすい膝の痛み 鵞足炎ってなーに?

前回までのおさらい


前回の記事では、膝の痛みは様々な病態があるにも関わらず、変形性膝関節症とひとまとめにされている場合が多いというお話をさせていただきました。
まだ前回の記事読んでないよって方は是非先にこちらをご覧下さい(^^)


今回の記事では、変形性膝関節症と診断されていることの多い
“鵞足炎(がそくえん)”
について解説していきたいと思います。

鵞足炎(がそくえん)とは??

鵞足ってなに?

鵞足炎とは、一言でいうと、『鵞足の炎症』です!
と言ってもなんの説明にもなっていませんね笑

そもそも“鵞足”ってなんなんでしょうか?
鵞足とは『膝関節の少し下の内側にある3つの筋肉が骨にくっついている場所』のことを指します。
筋肉が付着する様子が、鵞鳥(ガチョウ)の足に似ている様から“鵞足”と呼ばれています。

どんな症状がでるの?

鵞足炎では、膝の内下方の部位に痛みが生じます。
鵞足に付着する筋肉に力が入ったり、膝がねじれるような動きで痛みが出ることが多く
歩いているとき階段の上り下りで痛みを感じる人が多く、あぐらをかいたりするときにも痛みを感じやすい特徴があります。
重症になると何もしていないときにもうずくような痛みを感じ、夜寝付けないなどのお悩みにもつながることがあります。

鵞足炎の原因は?

鵞足とは、筋肉が骨にくっついている場所のことを指します。
鵞足のような、筋肉が一箇所に集中してくっついている場所には、
“滑液包”
と呼ばれる筋肉同士の摩擦を減らし、スムーズに動くよう手助けをする役割を持つ袋が存在します。

筋肉の硬さがあったり、無理にその筋肉を使う動作を繰り返したりすることで、鵞足の滑液包に摩擦の刺激が繰り返し加わったり、骨にくっついている部分が何度も引っ張られることによって滑液包や筋肉の付着部に炎症が生じます。
要するに、鵞足炎の原因は、『筋肉への負担』なのです。

鵞足炎はどうやったら治るの?

鵞足炎の治療では、炎症を抑える抗炎症薬の投与やステロイドの注射、筋肉の負担を軽減するテーピングが行われることがしばしばあります。

薬やテーピングは痛みを即時的に軽減できることがありますが、筋肉への負担が軽減できるようにしなければ、簡単に再発してしまいます。

変形性膝関節症に治療で行われるような、ヒアルロン酸の注射も同様であり、根治させる効果は期待できません。

鵞足炎を根治させるためには、筋肉の負担が減る“姿勢(重心位置)”や“動作”を身につける必要があります。

鵞足炎に限らずですが、膝の痛みを軽減する上で重要なことを過去の記事で紹介していますので、こちらもご覧下さい。

まとめ

今回は、“鵞足炎”について簡単に解説させていただきました。
鵞足とは、膝の内下方の筋肉が集中してくっつく場所であり、筋肉への負担によってそこに炎症が起きると痛みを生じます。
鵞足炎を根治させるためには、筋肉に負担のかからない“姿勢”や“動作”を身につけることが必要です。

変形性膝関節症と診断されている方も、鵞足の部分が痛むのであれば、それは“鵞足炎”の痛みかもしれません。

変形しているから、と諦めずに、根治を目指しましょう(^^)

次回は、鵞足炎とは違う膝の痛み
“膝蓋下脂肪体炎”
について解説させていただきますのでお楽しみに(^^)



HIPs株式会社
TPL認定セラピスト
整体院〜想和〜代表  梅本修央
大学でリハビリテーションについて学び、理学療法士の国家資格を取得
その後大学院に進み修士号を取得、中国広州、中山大学付属病院での臨床研修や若手セラピストのセミナー活動などの経験を経てHIPsに加入
静岡で整体院を経営しながら大阪でHIPsのメンバーとして治療や若手セラピストの育成に取り組む。

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