窮屈そうな、今晩の満月
今は夜中の2時。みんなが寝静まって、とても静かな時間に、一人お灸をしている。よく夜更かしをする自分を、なぜ早寝できないのだろうと、不思議に思ってきたけれど、それは、この静かな時間を、私がとても大切に思っていたからだ、ということに、やっと今日気が付いた。
お灸を終えて、火元を消し、もぐさや灰を片付け、空気の入れ替えに、窓を開けると、やけに夜空が明るい。紺色の空が一面、ふわふわの綿雲に覆われていて、ちょっと窮屈そうに、真ん中の小さなすきまに一点、満月が顔をのぞかせていた。
早