
『安全』の方こそ、ガチ勢で。
子どもの安全が第一。そんなお話。
子ども向けスイミング&体操スクールが自宅の近くにあって、次男が年中の頃からずーっとお世話になっている。水泳も体操も週1だけだけど、学校で身体の動かし方までは覚えてこられないし、本人も楽しそうなのでなんだかんだ3年半も通い続けている。
そして体操も水泳も、見学できるようになっているので、特に何もなければ毎回見学しに行っている。
水泳は2階にギャラリー席があって、いつもそこに座って2歳児と見学。
席に座ってから2歳児にラムネを渡し、それを2歳児が丁寧に1つずつ包みを外して食べる、というのが毎回のお決まりルーティンだ。
先日。いつも通り見学していると、男の子がやってきた。
うちの2歳児ちゃんより、少し月齢が上かな?くらいの子。
次男が通っている時間帯は、やや遅め。初心者もいるけど割合的にはかなり少なく、中級〜上級者が多めな印象だ。
そしてその男の子は、うちの次男が通っているよりもさらに後ろの時間帯で、上級者、それも選手を目指しているような『水泳ガチ勢』が来るコースに通う子の、弟くんである。
どこの誰かも全く知らない子なのだが、私も数年通っているうちに、いつもいるガチ勢たちはすっかり見慣れてしまっている。だっていつ行ってもいるし。
その男の子。
いつもは近くを走ったりしているくらいなのだが、この日はなんだが距離が近い。
うちの2歳児ちゃんにくっついてきたり、私にくっついてきたり。
次第に気づく。
ああ、ラムネを気にしてるんだ。
特に言葉を発するわけでもなく、何となく、身振りで欲しそうにする。
うーん。欲しそうにしてるけど。あげるわけにもいかないしな。
適当にやり過ごそう…と思っていたら。
ついに、男の子はそうっとラムネ1つに手を出した。
私が慌てて制す。
「ダメダメ。君にアレルギーがあるかどうか、分からないんだよ。だからあげられないの。ごめんね。」
私が何を言っているのか、ちゃんと伝わったかは分からないけど。
『ダメ』と言われたのだけは分かってくれたようで、ラムネを置いて、パーっと走り去っていった。
人のものに手を出すなんて。全く、親のしつけがなってない!!
……なんて、言いたいわけでは、もちろんない。
ラムネ1つくらい、あげていいのなら、普通にあげてたと思う。
「…親はどこ?」
で、ある。
想像はつく。たぶん、1階で他のママさんとお話ししてるか、これから始まるガチ勢くんの準備をしているか。
ここは2階。
一応、転落防止の柵やネットがあるとはいえ、階段を通ってこないと来られない。柵だってその気があればうちの2歳児の脚力ならよじ登れるかも。
そんなところに、うちの2歳児とほとんど変わらないくらいの男の子が、一人で行き来しているのである。
うちの2歳児もそれなりの運動量とバランス力。家ではいつも飛び跳ねてるし、我が家の階段も危なげなく上り下りする。その割に超慎重タイプだったりする。
だが。
一人では行き来はまださせない。
しっかりしてるし大丈夫とか思うけど。
これまで大丈夫でも次はダメかもしれないじゃん。
どんなオリンピック選手だって、本番当日失敗したりする。
大人ならまだしも、受け身がまともに取れない2、3歳くらいの子なんて、何があるか分かったもんじゃない。
階段は、もし落ちたりしたら、命やその後の人生に関わる。
そのガチ勢たちのママさんたち。
弟くんや妹ちゃんたちのこと、見てないな〜って思うことが多くて。
歩き回れるようになった頃から未就学児まで、様々な子が館内を縦横無尽に行き来している。
親同士でくっちゃべってても、子ども見てる人は見てるし、気にしてる。
スマホで買い物してたって、ゲームしながらだって、注意している人はしてる。
ただ、そのガチ勢の弟くんや妹ちゃんは違う。
親からは一切目の届かないところまで行っているのに、親があまり気にしている様子がない……ように見えるんだ。私には。
まだ年中くらいの女の子が、建物の外まで出て一人で遊んでたりするんだもの。
おそらく、週に何度も何年もそんなことを繰り返しているから、そんな状況に慣れてしまっているんだと思う。幼稚園的感覚なのかもしれない。
違うよ。
時間帯的に子どもが多いけど。
不特定多数の人が通う、隣に座ってる人の素性なんて全く分からないような場所なんだよ。
一応受付前を通るとはいえ、不審者だって割と出入り自由。
保護者っぽくしてればいいだけだ。
学校や幼稚園とは違う。
いつも思うんだよ。
私に悪い気があったら、この子誘拐できそうだなーって。
いや、私はうちの2歳児の脚力だけで手一杯だから、よその子連れ去ってうちで大切に育てようなんて気は一切起きないけどさ。
また、そういう子たちって、みんな人懐っこいというか。
かわいいを通り越してめんどくさいと思うくらい、話しかけたりちょっかいかけてきたりする。(そしてそれを親は近くにいて、気づいているはずなのに、何の挨拶も注意もしてこない…)
そうやって手懐けて、安心させて、警戒心を解いた時に、よし、悪いことしちゃおうとか思ったら、あっさり誘拐できそうだよ。
子どもを通わせてる保護者だからって、安心はできない。
まぁ、ね。結局いつも言ってることだけど。
よそのご家庭のことなんて口を出すものではないし。
切り取られた場面だけで何かを判断なんてできるわけがない。
『水泳ガチ勢は子どもの面倒見ない』とかそんな偏見は全くもって無意味だ。
ごく一部の人たちの話だし。みんながそうじゃない。
実はカメラ付き超小型GPSで子どもの位置を常に把握してるのかもしれない。
実はSPが館内に張り巡らされているのかもしれない。
よほど危ないことが目の前で繰り広げられていたら、それは止めに入るけど。
そうでなければ、あとは親の責任だから、言及する気はない。
うちの子たちには、私はよくこう伝えてる。
何かやってて目を離せないこともあるけど、君たちのことはいつでも見てるし気にしてるし、いちいち口に出さないけど、何してるか大体分かってるからね。
『…いつでも見てるからね。』
若干、怖いけど(笑)。
この、『親はいつでもあなたたち子どものことを気にしてます』のオーラは大事だと思っていて。
いわゆる過干渉になって、子どもが親を意識しすぎて常にビクビクしてる、となってしまうとやりすぎだけど。
忙しくても、手が離せなくても、一緒に何かできなくても。
君たちの安全をいつでも気にしている、と分かってもらえるだけでも、子どもは安心すると思っている。
『親は自分のことなんて見てないぞ』
と、子どもが気づいたら、子ども自身も悪いことをするかもしれない。
子どもは賢い。というか抜け目がない。
おチビちゃんたちが私にちょっかいかけてくるのとかも別に構わないしそれを見て見ぬふりしててもいい。
ただ、もしSPが張り付いてるわけでもなく、子どもがどこで何してるか目が行き届いていないのであれば、ぜひ安全にご配慮を。
子どもの事故や事件って、『親がちょっと目を離した隙に』起きるから。
ありがとうございます。ぺこり。