在日中国人労働者のプレゼンティズムとメンタルヘルスおよび健康増進ライフスタイルとの関係
Presenteeism among Chinese workers in Japan and its relationship with mental health and health-promoting lifestyles
在日中国人労働者のプレゼンティズムとメンタルヘルスおよび健康増進ライフスタイルとの関係
Li W, Moriyama M, Cui Y, Kazawa K, Nakaya T, Susanto T
PMID:31257231
🔳方法
日本に住む中国人労働者のプレゼンティーイズムに関連する要因を調査することを目的研究方法として、広島県に住む450人の中国人労働者を対象に匿名の自己報告式アンケートを実施。そのうち313人が完全に回答。アンケートには、以下の項目が含まれていました:
メンタルヘルス(Center for Epidemiologic Studies Depression Scale, CES-D)
健康促進ライフスタイル(Health-Promoting Lifestyle Profile II)
プレゼンティーイズム(Work Limitations Questionnaire-Chinese version)
🔳結果
40.6%の回答者がうつ病を報告した(CES-Dスコア)。
女性、低学歴、未亡人/離婚者、居住年数が短い、基本的な日本語が話せる、パートタイム雇用、エンジニア、職場に健康教育がないなどの社会人口統計学的特性がうつ病の可能性を高めた。
パス解析により、既婚者のプレゼンティーイズムは仕事関連のストレスを介して低下することが示された。
仕事関連のストレスとプレゼンティーイズムの間には、メンタルヘルス(CES-D)を介した正の相関があった。
健康促進ライフスタイルは、仕事関連のストレスとメンタルヘルスを介してプレゼンティーイズムと負の相関がありました。また、健康促進ライフスタイルはプレゼンティーイズムと直接的な負の関連も示した。
このモデルには、メンタルヘルス、仕事関連のストレス、健康増進ライフスタイル、 そして、婚姻状態(結婚している)は、プレゼンティーイズムの44%を説明することができる。
🔳感想・学び
今回はAIも用いて要約をした。
様々な要因がプレゼンティーイズムに影響を与える。その中でもメンタルヘルスは大きな要因を占めている。
プレゼンティーイズムにも定義が4つある。
① 体調不良で休むべきなのに出勤している状態(ヨーロッパで用いられる)
② 出勤している労働者の健康問題に関連した労働生産性損失(アメリカ中心に用いられ、日本経済産業省もこの定義を用いている)
③ 病気を持ちながら出勤している状態(ポジティブにとらえる側面も)
④ 出勤している労働者の生産性低下(健康のみでなく生活背景も含め)
どの定義を重要視するかで、プレゼンティーイズムの要因を改善するか少し方向性が変わる。またペルソナを変えることでの要因や介入方法も変わる可能性があるため、今回その結果を改めて学ぶことが出来た。
今日も最高の一日に。