ベンチプレス100kgまでの7ヶ月間
誰しもバケット・リストなるものを持っていると思います。僕の場合、そのリストの1項目が「ベンチプレスで100kgを挙げる」でした。その目標を先月無事達成したので、4ヶ月連続投稿のためにこんな記事を書いてみることにしました。
はじめに
達成してみて分かったんだけれども、男性のベンチプレス100kgって、たぶんそんなに難しいことではありません。自慢できる数字でないのはもちろんのこと、もともとの体格にもよるけれども、100kg挙げられるようになったくらいで「胸筋が劇的にデカくなった」なんてこともないです。そもそも、パワーリフターやベンチプレッサーでもないかぎり、ベンチプレスで高重量を扱えるからエラいなんてこともありません。
でも、大したことないレベルだからといって自分のことを語ってはいけないなんていう決まりもありません。僕はキックボクシングの試合に出ていた頃、試合や練習で気づいたことを積極的にブログに書いていました。大したレベルではなかったけれども、そうすることでモチベーションを高めることができていましたし、それが実力の向上にも少なからず寄与していたように思います。本記事もそういう位置づけのものだと思ってください。
100kgを挙げるための方法については、僕がここで説明しなくとも、YouTubeとかで調べればいくらでも出てきます。純粋にその方法を知りたいというだけの方は読まなくていいと思います。というわけで、僕が想定している本記事の読者は以下の2パターンのいずれかに該当する方です。
人が筋トレについて話したり書いたりしているのを聴いたり読んだりするのが好きな方(そうすることで自身の筋トレへのモチベーションを高めたい方)
とりあえず奧田翔の文章が読みたい方
前提
僕は今年の2月26日に約8年ぶりにウェイトトレーニングを再開しました。ということは、2022年2月26日の前にバーベルを挙げたのは2014年ということです。それからの8年間は何をやっていたのかというと、通勤以外の運動が皆無な時期もあれば、キックボクシングのジムに月2回行く時期もあり、家で腕立て伏せを頑張る時期もあり、ランニングや散歩をする時期もあり…ただ、いずれにしても、汗をかくような運動を週2回以上やることは、その8年間で一度もありませんでした。
8年前はどれくらいの重量を扱っていたかにも触れないとフェアじゃないですね。その日の調子にもよるけれども、ベンチプレスは65 kg x 13 reps→レスト1 min→65 kg x 3 reps→レスト1 min→65 kg × 1 repというのがよくあるパターンでした。13発挙げられる重量にしていたのは、8-12回挙げられる重量だと筋肥大してしまうと思って(階級制のキックボクシングをやっていた僕は、筋量を露骨に増やしたくないと考えていました)。レストを1分にしていたのは、キックボクシングのラウンド間のインターバルが1分だから。振り返れば、こんなんで扱う重量が伸びるわけないだろっていう感じだけれども、まさにそのとおりで、扱う重量を変えられずに同じメニューを2年くらいやっていました。でも、自分の体重(当時63kgくらいでした)よりも重い重量を10回以上挙げられるので、当時は満足していました。MAXは測っていませんが、85kgくらいは挙げられたんですかね?
ちなみにベンチ以外にやっていた種目はスクワット(一番重くて90kgで10回3セットとかだったと思う。ただしハーフスクワット)、ダンベルランジ(両手10kgずつで20回3セットとかだったかな? スクワットだけだと追い込めなくて補強で)、懸垂(これもレスト1分だったので1セット目で15回くらい→3セット目ではレップ数が激落ちくんでした)です。気分に応じてラットプルダウンやロウ☆ロウも。あと腹筋も何かしらやってましたね。キックボクシングの貯金で腹筋は今でも弱くないほうだと思います。
開始時
さて、8年ぶりに筋トレを再開した2022年2月26日。もちろんいきなり8年前と同じ重量を扱うのはあまりにリスキーだと理解していたので、ベンチプレスは50kgでやってみました。1セット目でなんとか10発挙がったものの、セットを追うごとにレップ数が減っていったように記憶しています。
翌週には60kgでセットを組んでみました。結果は1セット目が10発、2セット目が3発、3セット目が1発。レストは1分です。どのセットもいっぱいいっぱいだったので、仮にこの時MAXを測定すれば75kgとかそれくらいだったことでしょう。
8年前に比べれば当然扱える重量は落ちたけれども、意外とすぐにマッスル・メモリーを呼び起こせそうだなと感じたのが最初の2週間です。
アセンディングセット法との出会い
筋トレを再開してしばらくすると、アセンディングセット法(セットを追うごとに重量を増やしていくやり方)を取り入れ始めます。最大筋力の向上にはアセンディングセット法が有効だというのはなんとなく知っていましたが、最初のうちは序盤のセットで疲弊してしまうことがよくありました。そんな折に読み返したのが御殿下BLOG。
これを機に、MAXの60%付近で10回→レスト2分→MAXの80%付近で6回→レスト2分→MAX付近の重量で1-3回→レスト3分→MAXを超える重量でケツ上げ1回というのが僕の定番メニューになります。もっとも、これを取り入れ始めた頃は追い込みきれていないと感じ、ピラミッドセット法でやっていたのだけれども、少なくとも最大筋力を伸ばすために追い込みのセットをやる必要はないですね。
例えば、初めてケツ上げで80kgを挙げたのは5/4(水)、仙台のゴールドジムにおいてでした。レストは4セット目の前だけ3分、他は2分です。
60 kg x 10 reps
70 kg x 6 reps
75 kg x 1 rep
80 kg x 1 rep
70 kg x 4 reps
60 kg x 7 reps
8年前まで筋トレをやっていたとはいえ、それだけブランクが空けば初心者も同然。成長は早く、翌週には75kgで2発、翌々週には75kgで3発挙げられていました。そうなるともう80kgも普通に挙がるという感じです。その翌週からは85kgをケツ上げで挙げる日々が始まっていきます。
頻度を増やすなら
私事だけれども、5月まで仕某がなかなかに忙しく、出某も多かったので、筋トレは週に1回が限度といった感じでした。人間、生きていればそういう時期もあります。それでも上述のとおり成長を実感でき、思うように時間が取れずとも気に病まずにいられたのはラッキーでした。逆説的ではあるけれども、最も成長の早い初心者の時期と忙しくて思うように筋トレできない時期が重なるのは、かえって良いことかもしれません。
6月に入ってから時間に余裕が出来、筋トレの頻度を週2に増やすことができました。こんなときこそ大好きなアセンディングセット法をやり込みたい!…なんて考えてしまいがちだけれども、やめといたほうがいいというのは、
そもそも効果的でない
山岸秀匡さんや山本義徳先生の動画を見ていただければ分かるけれども、毎回高重量に挑戦するのはシンプルに効果的でないです。パワーリフターなんかだとサイクルトレーニングなるものをやるみたいです。興味があれば調べてみてください。が、あまり緻密な計画を立てずとも100kgくらいは達成できるようになります。僕のやり方については後述します。怪我のリスクが高まる
何をもって完璧なフォームとするかは難しいけれども、80kgを挙げられるようになる頃には、胸椎の伸展による肩に負担のかからないフォームを習得している場合がほとんどだと思います。しかし、MAXに挑戦するとなると、やはりどうしても肩を使ってしまうもの! そもそもMAXってそういうものなので、これは避けられないです。そうしたトレーニングをあまり高頻度でやるのは推奨できません。
では、どうするか? 週に2回ベンチプレスに取り組める日があるなら、うち1日はアセンディングセット法、もう1日はストレートセット法で5-10回を3セットとする。ということだな。例えば、MAXが92.5kgだった7/24(日)のメニューはこんな感じ。最後のセットはケツ上げです。
60 kg x 10 reps
70 kg x 6 reps
90 kg x 1 rep
95 kg x 1 rep
で、同じ週の7/28(木)はこんな感じ。レストは3分ずつ取りました。
60 kg x 10 reps
80 kg x 5 reps
80 kg x 5 reps
80 kg x 3 reps
MAXが90kg程度だったら、ストレートセット法の日は80kgで5発を狙ったり、75kgで8発を狙ったり、70kgで10発を狙ったり、そのあたりは週によって気分で変えていました。長めにレストを取って、セットごとにレップ数が落ちないようにするのが理想だけれども、それが最初からできたら苦労しません。漸進性の法則に則り、同じ重量で前より少しでも回数が伸びていれば自分を認めてあげましょう。そう、呼吸とともに😌🌱
あとは続けるだけ
もう本当に、あとは続けるだけです。そんなドラマティックなものでもありません。続けてください。5kg刻みで考えるならば、95kgで3発挙げられれば100kgが挙がるはずです。個人差はあると思うけれども。動画撮影が可能なジムに通っている方は、そろそろかなという予定日に撮影の準備をしておくといいかもしれませんね。僕はゴールドジム表参道東京で、スタッフの方にお願いすればワンチャン撮ってもらえるかなと思い頼んでみましたが、無理でした。仕方なく代わりに100kg成功当日に撮ったセルフィーが冒頭の写真です。ちなみに後から知ったことなんだけれども、動画撮影をダメ元でお願いしたスタッフさん、あの澤田めぐみ選手でした。
後悔しているというほどではないけれども、こうしておけばよかったと思うことがあるとすれば、以下の2点ですかね。
パワーグリップはもう少し早く買っておけばよかった
握力は握力で大事なので、始めたての頃から必要ではないんだけれども、感覚としてデッドリフトで60kg以上を扱うようになるあたりからはパワーグリップがあったほうがいいと思います。ノーギアでも比較的高重量に挑戦しやすいベンチと、パワーグリップが無いと話にならないデッドリフトで、成長に差が出てしまいます。ベルトももう少し早く買っておけばよかった
スクワットやデッドリフトでMAXの80%を超える重量を扱う場合、やっぱりベルトが無いと不安だと思います。僕はそれを理由にスクワットとデッドリフトは低重量高回数でやっていたんだけれども、やっぱりベンチで高重量に挑戦するなら、スクワットとデッドリフトでも同じく高重量に挑戦すべきだと思います。今の僕のチキン・レッグ具合、パないです。
なお、100kgを超えると、ある重量で2発挙がれば+5kgで1発挙がる、という世界が待っています。それだけにポンポンMAXを更新できるわけではありませんが、上述のメソッドを続けていればある程度までは記録が伸びそうな気配がしています。また何かあれば書きますね。
それでは皆さん、今日もよい一日を。
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