田舎と都会、地元と東京の色
5日間ほど帰省をしていた。地元は新幹線が通っていないから、特急と普通電車を乗り継ぐ。東京に戻る時、最寄ではなく大きい駅まで母が車でいつも送ってくれて、戻ったらちゃんと部屋を掃除してまた生活をがんばってねと応援されたり、今回の帰省中の出来事について話したりする。また1人の生活に戻るんだと思っていつもふわっと寂しさがよぎる。
東京駅までの特急の車窓からは田園風景がしばらく続く。そのあと中層くらいのビルがぽつぽつと現れて、ビルはどんどん高く数も多くなって行く。3年前まだ上京1年目の頃は都会の喧騒やスピード感が好きになれなくて、帰省から東京に戻るたびに高層ビルをうらめしく思ったものだ。今では随分東京の街にも好きなところを見つけた。
東京駅からまた電車を乗り継いで、最寄駅に着く頃にはまた高層ビルが少なくなる。スーツケースをひいてホームに降りると、あぁ私はこの街に住んで強くなったんだなぁといろいろな思い出が駆け巡り、しみじみしてしまった。
姉に2人目の赤ちゃんが産まれ、ちょうど私の帰省と姉の里帰り出産の時期がかぶって家が賑やかで毎日楽しかったので、ひとりの家に帰るといつもよりさらに寂しかった。地元の生活が濃いと、東京の生活もコントラストで色濃く感じる。ひとりでご飯を作って食べたり、映画や音楽や本やお買い物など様々な趣味に没頭したり、友達とお酒を飲んで深夜に帰宅する、そういう普段の生活がすごく特別に思えた。
こういう気持ちもきっと3日後には忘れてしまって、慌ただしく過ぎて行く毎日にただひたすら一生懸命になっているんだろうな。けれど、それはそれで好きなんだ。好きなことをして、好きなものを食べて、好きな人に会って、自由に行きたいところに行くんだ。まだ私はひとつの場所に落ち着いているより、見たことないものを見にいく勢いのある日々が楽しい。知らない人やものや場所がたくさんある方がワクワクする。明日はなにをしようかな。
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