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捨てることで手に入れる心の自由と豊かな人生の秘訣
ひとつ捨て、ふたつ捨て
ただ在るだけ
この川柳を目にしたとき、
ふと心に浮かんだ言葉があります。
最期に残るものは、
集めたものではなく、与えたもの。
■ジェラール・シャンデリー
捨てること、
与えること、
手放すこと、
失うこと。
これらの行為は、
外見上は非常に似通っていますが、
その本質には大きな違いがあります。
それは、行為を行う人の意識や意図に
起因するものです。
私たちが何かを捨てるとき、
あるいは与えるとき、
どのような気持ちで
その行動を選んでいるのかが、
結果に大きく影響します。
捨てることは、
単に物理的な行為に過ぎないかも
しれませんが、
その背後には
「何を手放したいのか」
「何を残したいのか」という
深い思考が隠れているのです。
お金や物、名誉への欲望は、
経済活動や成長の原動力となることも
あります。
これを否定するつもりはありませんが、
年齢を重ねるにつれて、
これらの欲望を少しずつ減らし、
より本質的なものに絞り込んでいくことが
重要だと感じます。
何も足さない、何も引かない。
そんなシンプルな広告コピーがあったことを
思い出します。
私たちの生活は、時に物で溢れかえり、
心の余裕を失ってしまうことがあります。
しかし、
何も足さず、何も引かないという選択肢を
持つことで、
心の平穏を取り戻すことができるのです。
最期に、私はどう在りたいのか。
この問いは、私たちが生きる上で
非常に重要なテーマです。
人生の終わりを迎えるとき、
私は何を残したいと望んでいるのだろうか。
物質的なものではなく、
心の中に刻まれる思い出や、
他者への影響、愛情や感謝の気持ちが、
私の人生の本質を形成するのではないかと
考えます。
最終的に、私たちが残すものは、
他者との関係や、与えた愛、
そして共に過ごした時間の中にあるのです。
だからこそ、今この瞬間を大切にし、
心を込めて生きることが、
最も価値のあることなのかもしれません。
足して引き
ひとつ残れば
いい人生
■近藤勝重