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経営理念、皆さんは作っていますか?

【Level27】
こんにちは、経営理念と経営計画で中小企業をサポートする税理士の菅谷(すがや)です。
本日とあるクライアント企業のミッション・ビジョン・バリュー(以下MVV)がついに完成し、そのお披露目となるミーティングを行いました。
振り返れば、一昨年末に「税理士を変えたい」という相談で来所いただいたのが最初のきっかけ。その際に「経営理念を作りたい」というご依頼を受けたのです。

実はその企業、売上高は数十億円規模と大きいものの、社員数は10人ほど。今後は組織を拡大していきたい、という社長の強い想いがありました。そこでまずは全社員を対象にしたキックオフミーティングを実施。私は得意の個性心理学の手法も用いながら、チーム全体で「どういう会社にしていくのか」を考える場を作りました。

ところが、ちょうど理念づくりを本格的に進めようという矢先、社内で大きなトラブルが勃発。ほとんどの社員がショックを受けるほどの事態で、社内には不安が広がりました。私も社員お一人おひとりと個別面談をしてメンタルケアに努めましたが、社長とも相談のうえ「このまま理念を作り込むのは難しい」と判断し、いったん中断せざるを得ませんでした。

数か月が経ち、ようやく落ち着いた段階で再度MVV策定がリスタート。
とはいえ、組織を変革しようとすると、どうしても社内のあちこちで問題が出てきます。その度に個別面談を行うものの、残念ながら退職者も出てしまいました。外部の私でさえ寂しい気持ちになるほどですから、社長の心労はいかばかりかと思います。

そんな紆余曲折を経て、ようやく完成したMVVを本日、全社員の前で発表しました。社員さんには一人ずつ「自分がこのバリューをどう感じるか」を話してもらったのですが、どなたも真剣で、真面目に受け止めてくださっている様子がとても印象的でした。
最後の締めは社長ご自身。大変な時期が続いた中、最後まで逃げずに取り組み、ここまでやり切ったその姿勢に拍手を送りたいと思います。

もちろん、経営理念は「作って終わり」ではありません。むしろ、これからどのように社内に浸透させ、日々の行動や意思決定に落とし込んでいくかが最大のテーマです。時間も労力もかかりますが、社長が語ってくださった「会社のビジョンと社員のビジョンを少しでも一致させ、みんなが幸せになってほしい」という想いを実現するためにも、これからが本当の勝負だと感じています。

中小企業の経営者の方々の中には、「うちは人数が少ないから、わざわざ経営理念なんて」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、組織を大きくしようとすればするほど、全員が同じ方向を向く土台が重要になってきます。もしまだ「経営理念は必要ない」と思われているなら、ぜひいま一度「自社の存在意義や理想像は何なのか」を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

私も引き続き、この企業が理念をしっかりと社内に根付かせていくよう、全力でサポートしていきたいと思います。経営理念を作るというのは、まさに組織の未来を形作るプロジェクト。完成した今日が、ある意味、真のスタートなのです。

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