戦車はどれでしょうか?

画像1 最近ネットで戦車以外の戦車に形が似た形をしてる装備も「戦車」と呼んでいるのを見かける。その際に全くの素人で知らない判っていない人の話は仕方ない話で微笑ましいくらいだ。でもミリタリーマニアの中には拡大解釈した自論を展開する者も多々居る。「戦う車は全部戦車だ」とね。
画像2 そこで、戦車か戦車じゃないかクイズをしようと思う。ただし戦車と呼ぶか呼ばないかは陸上自衛隊の装備で、戦車と区分されているかどうかが正解とする。「他国ではこれも戦車って言う」なんて話は受け付けない。上の画像は戦車でしょうか?ちなみに「履帯に砲塔があるから戦車」ではないからね。履帯はキャタピラのこと。答えは高射特科部隊が装備する87式自走高射機関砲で戦車ではありません。簡単過ぎたかな?
画像3 それでは上の画像は戦車でしょうか?これも履帯に砲塔があって大きな砲身がある。素人さんは間違いなく「戦車だよね」と自信満々で答えるだろう。しかし答えは戦車ではありません。特科部隊つまり砲兵の大砲です。自走する大砲だから自走砲と呼ばれるものです。正式名称は99式自走155mm榴弾砲、愛称をロングノーズ、略称を99HSPとしており、配備部隊内では99式15榴やSPとも通称される。
画像4 これも砲塔があって履帯、細い砲身で一見したら戦車ぽいけれど、戦車でしょうか?正解は戦車ではありません。普通科つまり歩兵部隊の装備で普通科隊員を乗せて戦車に随伴する89式装甲戦闘車で、略称を89FV、広報向け愛称をライトタイガーとしているが、部隊内ではFVとも呼ばれる。北海道第七師団唯一の普通科連隊である第十一普通科連隊に配備され、戦車部隊と行動する。砲は機関砲で戦車砲ではない。
画像5 これは戦車でしょうか?これはよく公道を走っているのを見た人がほぼ「戦車だ!!」と言う奴です。正解は戦車ではありません。装輪戦車というのも外国にありますが、自衛隊では装輪戦車でもなく、16式機動戦闘車、略称: 16MCV・MCVと呼ばれる。戦車と違い装甲が薄く、一般道は装輪なので戦車より早いが、道なき道を進む戦車のような機動力はない。ハッキリ言おうこれは戦車ではありません。
画像6 戦車は装甲と火力があって機動打撃の骨幹を成すものなのである。戦う車は全部戦車だとしたら、最前線で戦車を要請して戦う車は戦車だからと戦車じゃない、装甲も薄く火力も機動力も無い「戦う車」が来たら「戦車だ!」なんて絶対言わないし落胆するだろう。屁理屈とか解釈とか戦場ではそんな言葉遊びは通用しないのだ。
画像7 さて、最後の問題です。これは戦車でしょうか?正解は戦車です。10式戦車です。まだまだ数か少ないですが・・・。90式戦車は北海道のみの配備ですがいずれ北海道も90式戦車が無くなり10式戦車へ変換されるでしょう。如何でしたでしょうか?戦車だと思っていたものが実は戦車じゃないといえものはありましたか?正確に物事を知るというのは大事です。自動車にも種類があるようにダンプカーと11トンユニック車が同じでないように形は似ていても目的用途や運用が違い種類に明確な違いあるのです。
画像8 戦車の呼び方も当初は「タンク」であり、「戦車」となって戦後に自衛隊では「特車」と呼び、そして現在の「戦車」と呼ばれるようになったのです。北海道外ではなかなか見る機会もありませんが、一生に一度くらいは戦車の実物を見て欲しいものです。

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