見出し画像

自衛隊用語も同じ物でも職種や部隊で違う

自衛隊用語の話を書いたが、自衛隊に居ても他職種や職種が同じでも部隊や駐屯地が違えば同じ物を指しても違う用語だったりして判らないことがよくある。

例えば「無反動砲」と言えば、戦車乗員は「84mm無反動砲」「カールグフタス」を思い浮かべる。
しかし、普通科は84mm無反動砲のことは「ハチヨン」と呼び「無反動砲」は60式自走106mm無反動砲を指していた。

なんかね話が嚙み合わないのよ、普通科から転科して戦車に来た隊員が言う無反動砲の話「ダブルクラッチが・・」とか言うから変だなとは思ったんだけどね。

そういう誤解とか知らない内に多かったりする。
意思の疎通って難しいね。

昔の北海道は九州出身も多くて九州各地の九州弁も多くて、そのせいか言葉も北海道弁と違ってよく誤解があった。

「おい新兵、そこのゴミ投げておけ」と指示したらゴミを投げて寄越した。
九州出身の新兵だったが、「投げる」は北海道弁で「捨てろ」という意味で解らなかったらしい。
そういうことは下ネタでも多々あったが割愛しておこう。
良い子が読むといけないからね。

同じ戦車部隊でも駐屯地や部隊が違うと運用も違い編成も違ったりする。
戦車連隊では中隊長は3佐か古参の1尉で、中隊に古参2尉か1尉の「運用訓練幹部」「運幹」がいる。
しかし戦車大隊の戦車中隊には「運幹」は存在しない。
連隊から大隊へ行くと「運幹は?」と聴いても通じなかった。
ただ若手の3尉クラスの幹部が「訓練幹部」を押し付け・・・いや経験を積むために頑張ってやっていたりする。

戦車の駐車場を戦車連隊では「パーク」と呼び、戦車大隊では「モータープール」と呼び、どうも師団と旅団で違ったようだ。

そういう違いは全国レベルならもっとあるだろう。
時代でも違うしね。

同じ戦車でもやっていることが違うので、長く居ても経験しなかったり、戦車の経験談をしていると「こんなことしない」なんて他部隊の者が決めつける奴がたまにいるが部隊が違えばまた違うのである。

機甲師団の戦車連隊は主兵で戦闘団を編成する。
戦車大隊はもう無いが、普通科の戦闘団に配属される部隊とでは戦闘もまるっきり違うからね。
そういうのは経験しないと判らない。
戦車群の戦車乗員なんか普通科と協同訓練したことないって言うのもいたからね。

自衛隊のことは言葉も経験も自分の物差しだけで測れない話もいっぱいあるという話でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?