ランチ「ザンギについて語る その2ザンギ弁当」
北海道民のソールフードザンギについて語る。
ちなみに記事の内容と画像とは全く無関係で木島「ザンギ」ではない。
こんな大好きザンギを語る話なのだが・・・今回は美味しいザンギの悲しい話である。。
ザンギもたまに不味いザンギも過去にあった。
昔住んでいたアパート近くに、弁当屋がオープンした。
売りはまん丸い大きなザンギの入った「ザンギ弁当」で超美味しかった。
「超美味しかった」のである。
まず、注文してからザンギを揚げる拘りがあって、そうなると美味しいのも相まって客はかなり弁当を受け取るまで待つことになる。
「注文を受けてからザンギを揚げますので時間が多少かかります」と壁に注意書きが貼られていた。
かなり並び待たねばならない。
それでも美味しいから待つ。
確か当時500円で安価なこともあって待つ価値はあった。
お姉さんが一人で切り盛りしていて近所でも人気の高い弁当屋さんとして知られるようになった。
チェーン店で他にも同じ店があった。
「今日はあの弁当屋のザンギにするか」と思うと元気が出たものだった。
そんなザンギ弁当を食べたいと久し振りに行った時のことであった。
客は誰も居ない「おっラッキー」と思った。
しかし、いつもなら店頭にいる筈のお姉さんが居ない。
「すみませーーん」と呼ぶが反応が無く「休みか・・・だから客がいないのか」と思って帰ろうとしたら、見たことの無い小太りの若い不潔そうな男が横の部屋から出て来た。
なんだ?いつもお姉さんじゃないのか?と思ったが、「ザンギ弁当一つ」と注文した。
即弁当が出て来て驚いた、明らかに作り置きした弁当だ。
御飯だけ詰めて出して来た。
「変だな大丈夫か?」と思った。
それでも帰ってからザンギ弁当を食べた、冷たいザンギ・・・しかもいつもりより堅い・・・そして不味い・・・超不味い、一口で食べるのを止めた。
いつもならあっあつの肉汁の出るザンギが堅い肉の塊であった。
後日談がある。
当時懇意にしていた飲食店の夫婦が居た。
私がザンギ弁当の美味しい店として話をしたことがあったが、「え!?あの弁当のザンギ弁当が?いやいやそれはないでしょう、不味いですよあそこの弁当は」と言っていたのを思い出した。
その夫婦にその話をしたら「小太りの若い男って呼んだら横の部屋から出てきませんでした?」と言うので「そうそう」と答えると「あの男なんか不潔そうで」と奥さんが・・・「あの弁当屋直ぐに潰れたんですよ、戦車兵さんが美味しいって言うから驚いたけど、あの男じゃない弁当は美味しかったんですね、美味しかったザンギ弁当食べたかったな」と言った。
その夫婦の住む地域のその弁当屋は潰れてしまったという。
ほどなくして私の住むその弁当屋も潰れてしまった。
お姉さんが頑張って美味しい弁当を作り、繁盛させ軌道に乗ったら、小太りの不潔な若い男が不味い弁当を作り店を潰して行った訳だ・・・。
チェーン店ならその辺ちゃんと管理しないと、せっかくの弁当も消えてしまう残念な悲しい話だ。
美味しかったあのザンギ弁当・・・もう一度食べてみたい。