戦車乗りは自腹で訓練用品を買う
こういう話を書くと最近「自衛官は自腹でトイレットペーパーを買う」とか言って自衛官の処遇を良くすると言いながら自衛隊の良くない面を攻撃して批判ばかりする某女史が思い出すが、この話は昔の自衛隊の思い出話です。
現在の自衛隊は待遇も処遇もきっと改善されているはず・・・・多分・・・きっと・・・そうなっていたらいいな・・・・という話です。
戦闘職種である機甲科戦車部隊は演習も戦車の整備もお金がかかる。
装填手になれば装填手グッズと呼ばれる必需品を自腹で買う。
コーヒーを作るのに必要なお湯は携帯コンロだとかポット、薬罐、鍋、箸、ビニール袋、コーヒー、砂糖、クリープなどなど。
私が戦車乗員になった当時、戦車帽覆いも戦車眼鏡覆も自分で制作して作っていた。
迷彩のマフラーとかそういうのを自腹で購入して作るのだ。
後に死の商人「加藤商事」が作ってくれたのを買ったけどね。
ちなみに昔は居室のテレビも皆でお金を出し合って購入していた、チャンネル権は下っ端にはなく見る暇なんか無かったけどね。
戦闘服も貸与されるけれど足りないので直営売店とかで買うのです。
警衛用とかでね、新しく程度の良いものが必要なのだ、半長靴も当時1万5千円くらいしたよ。
穴の空いたピカピカの半長靴じゃ警衛に上番できないからね。
整備に必要な整備服や軍手のような消耗品も自腹、まぁ仕事をしていたらそれくらいはどんな仕事でも自腹だよね。
そういう個人装備が自腹なのは理解できる。
でもね、射撃する時に整備に使うCRCとか、当時74式戦車の砲身を包むサーマルジャケットとかも中隊でお金を集めて購入していた。
戦車を洗車する洗車器も当時装備されておらず、演習場へ筍採りへ行き売ったお金で購入していた。
酷い時には「機甲太鼓」の太鼓を買うから「カンパ」しろと強制的に徴集されたりした。
機甲太鼓って11普通科連隊の太鼓なんだよね。
今はかなり変わったのだろうけれど、何かとお金はかるものです。
しかし、そうやって戦うために必要な物は自衛官が購入して頑張っているのです。
予算が無くて戦車の稼働も難しい場合もあり、現場の自衛官は大変な思い入れして訓練しています。
昔々の思い出話でした。