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戦車豆知識「砲安定装置」

砲安定装置により目標を自動追尾し、走行中でも射撃できる。
10式戦車や90式戦車の砲安定は走行間射撃が可能で、それまでの74式戦車のように停止射で戦車砲を撃っていたのと各段にレベルアップした。

砲安定とは戦車が一度敵戦車や敵方向をロックオンしたら、例え戦車がどの方向へ進もうとも照準された砲口は敵に向いたままでいる。

いちいち乗員が砲塔を回しているのではない。

この技術は艦載砲が「海のうねり」「旋回などでの傾斜」でも射撃できるように開発された。
照準しても周りが動いていたら、せっかく狙っていても命中するのは困難だからね。

戦車の砲安定装置は一説によるとカーナビ開発のきっかけになったという。

ホンダの研究所の専務がたまたま自衛隊の見学の機会を得る。

そこでは自衛隊の戦車が走行しながらも、砲身が常に標的を捉えて続けており、専務はその技術に大きな衝撃を覚え、「この技術をクルマにも応用できないか」と模索。

 研究所一丸となって、「走行しながらも、地図上に自車の位置を表示し続けるシステム」を開発。
これこそが今日まで浸透し続けるカーナビの原点となった。

おそらくホンダの専務が見たのは74式戦車だと思うが、砲安定装置は車体の挙動に影響されず戦車砲の照準を保持する安定化装置(スタビライザー)の開発では、砲塔を駆動する油圧システムとジャイロの電気信号で制御される安定化装置の制御が、開発の上で特に困難だったとされている。

90式戦車が走りながら横行行進射をしたのを初めて見た時はもの凄い衝撃を受けたのを覚えている。
しかも的(てき)に命中させたのだから。

自衛隊では「的」を「まと」ではなく「てき」と呼ぶのも豆知識だね。

砲安定装置の話もどれだけしていいのか判らないからこれくらいにします。

戦車豆知識でした。


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戦車兵
チップありがとうございます!!無理なさらず御覧頂けたら幸いです。