戦車乗りで良かった
戦車に乗っていると普通科部隊と協同で任務にあたることがある。
それを「普戦協同(ふせんきょうどう)」と言う、旧軍では「歩戦協同(ふせんきょうどう)」と言うが同じ音なのがいいね。
そんな普通科と協同で行動すると普通科の大変さがよく判る。
戦車の装填手をやっていた時は砲塔の高い位置から普通科部隊が行軍する横を通り過ぎる度にあんなに思い背嚢と装備を担って行軍するなんて・・・戦車で良かったとつくづく思ったものだ。
一方行軍する普通科部隊は戦車が横を通ると砂埃が舞ってイラっと来ていたと思う・・・多分。
ある場所で普通科部隊が行軍を終え直ちに陣地を構築するのを横目に戦車は直接警戒でいた。
雨が降り少し小高い丘の上で機関銃を持った普通科隊員が丘から転げて落ちて行くのを見た。
車長が言った「普通科じゃなくて良かったろう、お前なら死んでるぞ、戦車乗員で良かったな」と。
本当にそうだなぁぁとしみじみと戦車隊員で良かったと思ったものだ。
普通科から転科して来た陸曹は普通科の方が良かったとよく言っていた。
戦車隊員は個々の隊員の能力が高く、職務毎勉強をしなければならないし自分のことだけすれば良い普通科と違い整備も戦車からいろんな装備までする。
戦闘職種であるから銃剣道も持続走も冬季戦技もある。
7師団の改編時に多くの普通科隊員が転科して転属して来た戦車部隊だからね、普通科連隊並に戦技も厳しかったから・・・。
銃剣道日本一になっていたし・・・。
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