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ラーメン好きのひとり言

私はラーメン好きである。
札幌はラーメンの街と言っても過言じゃないくらいラーメン屋がある。
元気に頃はラーメン屋をあっちこっち行って食べていた。

最近は病状もあって美味しい物は毒である、特にラーメンは猛毒であるとなかなか食べられない。
確かにカロリー高いから、食事やカロリー制限が必要な病気だと毒ではある。

それでもラーメン好きだから・・・・寒い季節にはラーメンが恋しくて・・・たまに猛毒を食らいに行きます!!
頻度は以前に比べたらかなり低くなったし、月に1度程度、貴重なラーメンを食べる機会となってしまった。

生きていなければラーメンも食べられないからね。

以前は週に3回くらい行っていたラーメン屋がある。
自他ともに認める「常連客」であった。

近所であることと、やっぱり美味しいラーメンだったからだ。
私は基本、味噌ラーメンしか食べない。
ここではカレーラーメンも好きでよく食べる。

しかし、病に倒れてからはなかなか行けなくなってしまった。
そうしている内に親しい店長や従業員がいなくなって、知らない人達となっていった。

もう「常連客」ではなくなっていた。

それでも、月一程度しか食べられなくなったラーメンを食べる機会は大切な時間であった。

今日はラーメン食べに行くぞ!「猛毒を食らうぞ!」と気合を入れて久し振りにラーメン屋へ。
従業員は見知らぬ人ばかり、一人昔馴染みのバイト君が居た。

「久し振りですね、痩せましたね」と言われた。
なんか別の店へ来たみたいだった。

自動券売機は新札対応で新しくなり、ラーメンの食券を・・・「ん!?メチャクチャ値上げしている・・・・」まぁ物価高だからどこも同じだ。
ただ最低でも1000円のラーメンは庶民の気軽な食べ物じゃなくなった感はある。

私は鶏白湯の味噌ラーメンの食券を買った。
カウンター席のみの一番奥に座る、いつもの私のお気に入りの席だ。
入口付近は頻繁に客の出入りがあってそのたびに冷たい外気があって嫌なのと入口付近に自動券売機があって客が後ろにいるのが・・・・ね。

いつもなら親しい従業員と世間話をするのも楽しみなのだが・・・。
知らぬ顔ばかりで、客も多く声をかけるのも憚られた。
この店は以前は午前3時まで営業していて、深夜に近くのスーパーへ買い出しに行く私には便利であったのだが、昨今のバスの減便で終電が早くなり深夜の客は激減したらしく今の閉店時間はかなり早くなってしまいなかなか時間帯が合わなくて行きにくくはなっていた。

ラーメンが来た、なんかいつもちょっと違う感じが・・・食べる・・・不味い・・・マジ?と思った・・・作り手が違うと同じレシピでも味は変って来るものだが、根本的にいつもの味噌ラーメンとは別のラーメンだ。

まるで違う店へ来た印象が現実になった気がした。
顔見知りのバイト君に「にんにくちょうだい」と言うと「今は別料金になってしまいまして・・・」と申し訳なさそうに言う。

半分くらい残して帰った・・・なんか寂しい悔しい・・・店が変わったのか?作り手が違うからなのか?値上げしても以前と同じ味ならしょうがないが、不味くなったら・・・私のラーメンランキングがこの店のランクを一気に下げてしまった。

この愚痴を同じラーメン好きに言った「ああ、あそこのラーメンね・・・俺もねもう行かないの・・、ラーメン不味くなったから、どうしちゃったんだろうね・・・」と言った。

私も「札幌に来たラーメン好きに必ずお勧めしていたけれど、もうお勧めできるラーメンではないなぁ・・・・」とぽつりと独り言を呟いた。

「はぁぁぁぁ」と大きなため息が出た。

猛毒だから食べなくても自分には都合いいから良いか・・・と無理やり自分を納得させた。

ラーメン屋を一つ失ったと思った。


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戦車兵
チップありがとうございます!!無理なさらず御覧頂けたら幸いです。