黒澤明監督「夢」に見る怪談
黒澤自身が見た夢を元にした個人的題材の映画で、「日照り雨」「桃畑」「雪あらし」「トンネル」「鴉」「赤冨士」「鬼哭」「水車のある村」の8話からなるオムニバス形式となっている。
黒澤を尊敬するスティーヴン・スピルバーグの協力でワーナー・ブラザースにより世界配給された。
動画は「トンネル」。
敗戦後、ひとり復員した陸軍将校が部下たちの遺族を訪ねるべく、人気のない山道を歩いてトンネルに差し掛かると、中から奇妙な犬が走り出てきて威嚇してきた。
追われるように駆け込んだトンネルの暗闇で私は、戦死させてしまった小隊の亡霊と向き合うことになる。
自らの覚悟を語り、彷徨うことの詮無さを説いて部下たちを見送った私はトンネルを出るが、またあの犬が現れ、吠えかかってきた。
私はただ、戸惑うしか無かった。
このエピソードの怪異は八甲田雪中行軍の亡霊が毎夜、原隊の青森第五聯隊へ帰って来る怪談だね。
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