『ブラックホーク・ダウン』シュガートとゴードン

戦争映画『ブラックホーク・ダウン』。
実際にソマリアでおこった凄絶な「モガディシュの戦闘」(米軍を中心とする多国籍軍とゲリラとの市街戦)を描いている。

レンジャー、デルタフォース、第160特殊作戦航空連隊ナイトストーカーズなどで構成された約100名の特殊部隊を首都モガディシュへ強襲させた。

民兵の放ったRPG-7により、ナイトストーカーズのブラックホーク2機「スーパー61」「スーパー64」が撃墜されてしまう。

「仲間は決して見捨てない」をモットーとする米軍は、機内に残されている生存者を救うため、作戦変更を余儀なくされる。
非常に高い戦闘技術を持ち、ヘリからの航空支援も受ける米軍部隊だが、損害を顧みず次々と現れては襲ってくる民兵を相手にするうちに、徐々に死傷者を増やしていく。

スーパー62に搭乗していたデルタフォースの2名ランディ・シュガートとゲーリー・ゴードンは仲間を救うために何度も許可を要請して、救援の到着がいつになるか判らないのを知りつつ降下。

シュガートとゴードンは、墜落現場から約100メートル (330 ft)離れたところに狙撃銃とサイドアーム(補助)で武装、降下し撃墜されたブラックホークに向かった。

既にパイロットのマイケル・デュラント上級准尉が、H&K MP5でヘリコプターを守っていたが、背中の椎骨が砕け、左の大腿骨を骨折していたため、操縦席から動くことができなかった。


負傷により墜落ヘリの中で身動きが取れなくなっていたパイロットのマイク・デュラントを引きずり出す。


「スーパーシックス・フォー」に到着すると、デュラントと他の乗組員の遺体を墜落現場から引き離し、ヘリコプターを防御した。

その後、ゴードンが、最初に墜落現場を包囲していた敵対勢力に射殺されたと考えられている。

シュガートは、ゴードンのCAR-15ライフルを回収し、デュラントに渡し、これを使用させた。

その直後、シュガートも戦死し、現場は敵対勢力に蹂躙され、デュラントも捕虜になった。
デュラントの著書『英雄たちの中隊』によると、ソマリア人の敵対勢力は、銃撃戦の末に25人が死亡した。

だが大挙して押し寄せてくる民兵の前に、善戦虚しくシュガートとゴードンは戦死、デュラントは捕虜となってしまう。

フートらの部隊が「スーパー64」墜落地点に到着したときには遅すぎ、デュラントは連れ去られ、味方の遺体もなくなっていた。

1994年5月23日、シュガートとゴードンは死後、ブラックホーク「スーパーシックス・フォー」の乗組員を保護した功績により、名誉勲章を追贈された。
彼らは、ベトナム戦争以来初となる名誉勲章受章者となった。

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戦車兵
チップありがとうございます!!無理なさらず御覧頂けたら幸いです。