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自衛隊怪談「取り壊された隊舎」
自衛隊怪談も同じような話が多かったり、語る人によって改編されていたり面白くなっていたり、原型の怪談とかなり違っていたりといろいろあることがあります。
でも起きている場所は同じで時代が違っても、そこにいる何かは変っていないという話もあります。
私は久し振りにそこの駐屯地を訪れた時には青春時代を過ごした隊舎は前年に取り壊されていました。
近くに居た見知らぬ30代くらいの2曹に「ここの隊舎壊されてしまったんですね、昔ここにいましてね寂しいものですね」と言った。
「去年取り壊されました、失礼ですが○○さんですよね?連隊に居た」と見知らぬ2曹が言う。
「そうですが・・・」と私が居た時代には彼は入隊すらしていないだろう世代だろうに・・・。
「戦車の世界では有名人ですから」とその2曹は笑った。
そんな感じだったので私は「ここにあった隊舎よく出たよね」と手首を前にだらんと下げた。
「出ましたね、3階の角部屋は特に・・・」
「おおお!!3階の角部屋出たね、やばいのが!!!そうかい彼は未だ出ていたのかい」と私は懐かしくなった。
世代の違う2曹と3階の角部屋の幽霊の話で盛り上がった。
3階の角部屋の幽霊の話?そ、それはやばすぎて・・・・。
またの機会に・・・・・・いや・・・書く勇気ない・・・。
「それにしても隊舎が無くなって各居室や部屋に居た霊達はどこへ彷徨っているんだろうね、新しい隊舎へ一緒に引っ越ししたのかな?」と私が言うと「そうですね、各部屋にそれぞれ別の霊がいましたね。取り壊し前に引っ越しの時にあっちこっちから大量の御札が出て来て、中にはかなり年季の入ったのもありましたよ」と2曹が言った。
隊舎に棲みついていた霊達が迷わず成仏してくれることを祈り私は手を合わせた。
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