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同軸機銃?いいえ連装銃です!!

自衛隊の戦車乗りは「戦車兵」とは呼ばず「戦車乗員」と呼ばれる。
「戦車搭乗員」というのは呼ばないし間違いである。
細かい言葉、用語一つ「ん?」と思うと「この人は戦車に詳しいと自分で思っているだけで、戦車に乗ったことも戦車乗りであったことも無い人だ」と思ってしまう。

戦車は戦車に乗っている戦車乗員、戦車を開発して製造している人等戦車のプロはいるが、戦車が好きで戦車のことを書いている著述業の人もいるが・・・・自衛隊戦車の世界は全く知らず戦車用語も言葉もその世界も知らない人が実は多い。

そういう人と戦車について語ると言語が違うことと用語や言葉がお互い通じないので判ってしまうのである。

その代表例が「同軸機銃」である。
私は戦史が好きだし、子供の頃から父顔がミリタリー雑誌を購入している人であったから字面で「同軸機銃」という用語は知っていた。
しかり戦車乗りになってから戦車連隊でも戦車大隊でも一度として「同軸機銃」なる言葉は耳にしたことが無い。

同軸機銃という意味も実は私は判らない、同軸って何が同軸なんだ?というと説明してくれる人は多々いれど・・・「は!?」となる。
戦車砲の縮射射撃装置のように閉鎖器に12.7mm重機関銃の弾を撃つなら「なるほど」と思わくもないが・・・。

実際撃ったことも触ったことも無いので知識だけの耳年増というか・・・畳の上の水練というか・・・。
そもそも「機銃」って海軍用語なんだよね。

なら自衛隊では何と呼ぶか?
戦車に積載前は「車載機関銃」「車載」と呼ぶし、戦車の砲塔内に据えたら「連装銃」「連装」と呼ばれる。
射撃号令は「砲手連装!」となる。
車載機関銃そのものの名前が74式4.62mm車載機関銃と同じ物を指してこれだけ名前が用途別に使われているのである。

同軸機銃なんて呼ぶ時ってどんな時って聞くこともないくらい必要ない話。
そもそもプラモデルの解説書から広まったらしく、戦車乗りから伝わった言葉ではないのだ。
そういう言葉が大半でプロの戦車乗りが使わない聴いたことも無い言葉が民間戦車用語、軍事用語として広まっているのだ。

これ自衛官でも戦車関係者じゃないと民間のミリタリー雑誌で覚えた言葉を使うから民間人と変わらなかったりするので要注意だ。
現に元自衛官と称する者が戦車本で民間戦車軍事用語を駆使して嘘デタラメ本を出しているくらいだから。

「主砲」となんて言わない「戦車砲」「砲」と言うと・・・「俺は20年戦車の研究をしているがこんなこと言う素人が戦車乗っていたなんて信じられない」と言われたことがある。

でもね、20年戦車の研究して「主砲」「同軸機銃」って言ってるんなて戦車の初級入門編を卒業できていない低レベルな可哀想人だとしか思えない。
だって総合火力演習とかで戦車乗り特有の早口の号令聴いて「聞き取れない」なんて言っているのは、そもそもの戦車用語を知らないからで「砲手連装、前の台敵散兵連装行進射、撃て!」なんて言っても「連装なにそれ?」では聞き取れないだろう。

副砲も無い戦車で主砲もある訳も無く、軍艦の主砲じゃないからね。
そうそうよく誤解されるのが連装銃を「連装機銃」と間違えて言う人がいるけれど「連装機銃」旧海軍の艦艇の装備です。

そういう言葉一つで「ああ、この人は戦車の素人さんだな」と判るので便利ではある。

この話するととっても長くなるのでこれくらいにする。
最後に私が同軸機銃と聴いた最初は某軍事専門誌の編集者からであった。
「どうじくきじゅう」と言う言葉を聴いて「なんですか?戦車にそういうのは無いですよ」と言ったら驚いていた。
この編集者自分は軍事に関しての編集者として日本一と自負していたのか私の自衛隊用語、戦車用語は全く通じず閉口したものだった。

自衛隊の言葉が通じないから通訳のようにミリタリーに書く素人さんや編集者が自衛隊用語を排除していたのも戦車の言葉が通じない要因だっと思う。

SNSの発達でだいぶ緩和されているけれど、頑固な人も多いのも事実なんだよね。

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戦車兵
チップありがとうございます!!無理なさらず御覧頂けたら幸いです。