203mm自走榴弾砲
令和6年3月をもって退役してしまった。
その口径は陸上自衛隊最大の火砲であったし、駐屯地祭の模擬戦で見る空包射撃は迫力あり好きだった。
火炎がとても良かったが実弾射撃を観た時は火炎は出ないのであった。
203mm自走榴弾砲として陸上自衛隊方面総監直轄の独立特科大隊に配備が進められ、計91両が配備された。
第一特科団、第二特科群、第三特科群に実戦配備され、教育用としては特科教導隊、武器学校にも装備されていた。
砲身は米国からのFMS(有償援助)で取得し、砲架を日本製鋼所、車体を小松製作所が分担して製造した。
運用の際には87式砲側弾薬車が随伴し、弾薬の運搬と補給を行った。
2000年に防衛庁(当時)により「サンダーボルト」の愛称が与えられたが、配備部隊では「自走20榴(じそうにいまる)」もしくは「20榴(にじゅうりゅう)」とも通称されていた。
2019年(令和元年)度防衛白書によれば、合理的な装備体系の構築のための取組として、「重要度の低下した装備品の運用停止」の項においてM110A2が名指しされ、後継装備品を整備せず用途廃止とされた。
これにより、M110が陸上自衛隊において運用される最後の203mm砲となった。
2023年度末までに用途廃止が見込まれ、2024年3月20日の第104特科大隊の廃止により、全車退役した。
実戦使用ではないが、チャイコフスキー作曲「1812年(序曲)」の演奏において、203mm自走榴弾砲の空包射撃が使用されたことがあった。