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常設展示の戦車

毒を吐きます。

嫌な方は読まないことをお勧めします。

青森県は今年は大雪が降り大変であったと聞いています。

私の住む北海道の雪と違い、水分が多く含み重い雪で大変な苦労だということも同じ雪国の者として理解できます。

しかし、Xで御覧のような画像が掲載され、埋まっている戦車を笑う投稿やコメントを見て・・・心が痛み悲しみと怒りが込み上げてしまった。

かつて、我が国の護るため共に激しい厳しい訓練をした戦友であり、かけがえの無い戦車が退役後になぜこんな目に遭わなければならないのか。

国民の血税で造られた戦車である、駐屯地の常設展示戦車の役目を負って駐屯地に来る民間人の目付く陸上自衛隊の象徴のような戦車を雪に埋もれさせて恥ずかしくないのかと思う。

かつて東郷平八郎元帥が大佐の頃、日清戦争前に丁汝昌率いる清国北洋艦隊が6隻の艦隊を率いて来日し、示威活動を行ったことがあった。

清国海軍の「定遠」内部の公開に東郷大佐も視察し、北洋艦隊の士卒の練度の低さを暴露したことがあった。

軍艦の砲門に洗濯物が下げられ、甲板が不潔極まりない状態を見て、「恐るるに足らず」と直感したという。

自衛隊の誇る装備であった戦車を展示して雪に埋もれさせている行為は清国海軍の水兵と変わらぬ行為ではないのか?

1月23日は明治35年に八甲田雪中行軍に青森歩兵第五聯隊が出発した日である。

自衛隊の青森第五普通科連隊も八甲田演習を毎年実施して後藤伍長の像に敬礼し慰霊している。

この戦車の姿が八甲田雪中行軍で遭難した雪中行軍隊の将兵と変わらないではないか、この姿を見て雪の八甲田で凍え息絶えた将兵の姿を想像しないのか?私は一目見て駐屯地の中で凍え凍死した戦車に見えてしかたがないのだ。

SNSに投稿した特科出身の元自衛隊芸人や戦車の専門誌は「面白い」と思ったのだろうが、それは愛車心も無く他人だからだろう。

自分がかつて訓練した203mm自走榴弾砲が同じ状態でも芸人さんは何とも思わず笑ってSNSに投稿するのだろうか?そうだとしたら練度も特科の精神も低く心が貧しいんだなと思う。

自分が精魂込めて作った本が野晒にされ捨てられていも平気なのだろうか?

豪雪だから排雪する場所もないからしょうがないと見て笑っているのか?

青森駐屯地に限らず、戦車部隊の無い駐屯地に常設展示されている戦車は野晒で錆びるに任せ・・・いつも思うのだが「死んだ戦車」の遺体を置いているようで気味が悪いし悲しい。

駐屯地の隊員で戦車が駐屯地の顔のようにあって戦車が雪に埋もれていても何とも思わない、何にも感じない、心ある駐屯地司令なら鶴の一声で除雪させるであろう。

人手不足なんて関係ない、この程度の雪なんて戦車掩体を掘ることに比べたら大した労力じゃない。

何も戦車動かす除雪じゃないのだから、笑い者にならない程度で戦車の姿が見えるようにするだけでいいのだ。

私が駐屯地司令なら隷下の各部隊へ作業員1名を差し出しを命じたら10名も居たら30分もかからずに除雪なんてあっという間に終わるであろう。

自分の車、自分の部隊の所属の車輛も同じ大雪が降り、豪雪だから除雪しないのか?

現役で使っているのと、展示戦車は違う?

そういう精神が悲しいし心が貧しいし、練度が低く「自衛隊ってダメだな」って思わせてしまう。

どんなに訓練しても、そういう精神が欠如しているのは、半長靴を磨かない、戦闘服にアイロンをかけない、営内班の掃除もしなく汚れきって、トイレは汚いのと同じじゃないのか?

かつて真駒内駐屯地にあった第十一戦車大隊は、当時の大隊長の指導で「士魂のマーキングが描かれた61式戦車は我士魂戦車大隊の戦車である」と冬季は展示戦車の除雪するのを奨励した。

自分の戦車が雪が降ったからと除雪せず放置する戦車部隊なんてある訳がない。

そういう精神を叩きこまれて「愛車心」なんて恥ずかしくて口には出さなくても、心にはしっかり愛車心が育まれていたのだ。

雪に埋もれた戦車は戦車が激減した自衛隊にあって、戦車に対する心根を見た思いでとても苦しく思った。

戦車に憧れ戦車に乗りたいと自衛隊を志願する者がこの姿を見たらどう思うのだろうか・・・・。

言いたいことは山ほどある、思いを全て吐き出すのも辛い。

戦車を笑い者にした者よ、戦車が何をした?戦車をこんな目に遭わした者こそ笑ってやれ!!

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戦車兵
チップありがとうございます!!無理なさらず御覧頂けたら幸いです。