自衛隊怪談「3階の角部屋」
見える人のS士長の他にも見える隊員は少なからずいる。
しかしS士長のように「霊が見えて話せる」と自分から言う者はそんなにいない。
S士長は怪談話もあまりしなかったように思う。
怪談好きの私のために沖縄での話とか幾つか聴いたのと、彼の行動で「ここに・・・」と怪談というより現在進行形の話だったり・・・。
そんなS士長と仕事で一緒になり、ある作業に出た時のことである。
隊舎前の作業で一緒になったN3曹は他中隊ではあるが私と仲のよい陸曹で休憩時間に「おい、俺の部屋へ来てコーヒーでも飲もうぜ」と誘われ行った。
そこは隊舎の3階の角部屋である。
私の後輩ということでS士長も一緒にお邪魔したのだが、Sがその居室のドアの前で動かなくなった。
「どうした?」とSに声をかけた。
Sの様子がおかしい、震えていて顔色が悪い。
「すみません、この部屋には入れません・・・怖くて・・・」と言い出し、その場から立ち去ろうとした。
「おい!」と語気強く声をかけたら止まった。
「またアレか?」と聴くと頷いた。
Sはそのまま立ち去った。
「N3曹後輩のSが気分悪いって帰ってしまいました、せっかく誘ってくれたのにすみません」と私は謝った。
「いいよ、いいよ、今ちょっと聞こえたけどアレって幽霊のことか?」とN3曹は言った。
「え!?いや・・・あの・・・そうです・・・すみません」
「あいつ見えるんだ・・・・ということは今この部屋にいるってことだな・・・よしその話はここまで止めよう」と言って話題を変えた。
3階の角部屋、私が部隊に配属された頃は別の中隊が入っていた、その後また別の中隊が入り・・・・実は私もこの部屋の噂は聞いていた。
その話は・・・・・・・・・メチャクチャ怖いので書きません。
やばいので書けません、書きたくありません。
その霊の生前の話や亡くなった時の不思議な話とかあるので書けないんですよね。
あまり良く無い話なので。
ただ、あのSが怯えて霊と話もせず逃げ帰ったくらいの霊がいるってことは間違いないようだ。
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