深夜のスーパーでの戦い
深夜によく買い出しに行く。
この時間になると人が少なく買い物をしやすいが、肝心の欲しい物が売り切れと言うことも少なくない。
しかし、総菜とか弁当とか売れ残った商品がたまにあって半額以下になることがある。
最近は商品そのものが売り切れてそんな嬉しいことは少なく・・・いや無くなったな・・・。
それでもたまーに、雨が降ったとか吹雪いたとか、作り過ぎたとかでお寿司とか半額以下の150円とかになることもある。
ただ、そんな場合買い占める奴とかいるのは腹が立つ。
一人で幾つも買って行くのだ。
生寿司なんて日持ちしないので朝にはシャリが固くなっていたりする。
つい先日、深夜店に行くと従業員がちょうど半額以下のシールを貼っている現場に遭遇した。
私は速度増せと駆け寄った、総菜が安くなっていて買い物カゴに安くなった総菜を入れて行く。
客は私一人だ。
生寿司がある・・・・やった!!と心の中でガッツポーズをとる。
極真空手をやっていた頃、大山倍達総裁が「極真空手は武道空手だ、ガッツポーズはとるものではない」と弟子に教育し、私も武道とはそうしたものとガッツポーズはとらないようにしている。
しかし・・・生寿司にシールを貼ろうとした時、周りにはいつの間にかどこから湧いたのかたくさんの客が群がっていた。
マジで驚いた、10人くらい深夜のこの時間に突然生寿司の半額以下シールを貼る瞬間に現れたのだ。
当然のように人をかき分ける奴までいる。
殺気を感じた。
「こ、こいつらこれを狙っていたのか・・・」
生寿司はさっきまで半額だったのだ、しかし半額以下の150円になるのを狙って待ち伏せていたのだ。
従業員はシールを貼るとその手元から奪う客がいる。
なんて卑怯な奴だ。
生寿司の数は5個程、生海老やイクラの軍艦巻き、サーモン等の入った生寿司のパックを一つどころか買い占めようとする輩までいる。
うかうかすると買えない、真剣勝負だ。
隣で中年男性と派手な若い女性が「生寿司安くなるよ2パック買おうか」なんて呑気に言っているが「寿司は俺達二人のもんだぜ」と宣言しているのだ。
油断ならぬ、シールを貼った瞬間さっき従業員の手元から奪った男の手が伸びる。
そこを極真空手で鍛えた突きを繰り出す要領で寿司を素早くゲットした。
勝った・・・・・・・・・ガッツポーズはとらないが・・・・心の中ではガッツポーズを思い描いたのは言うまでも無い。
深夜、厳寒の北海道の雪道を踏みしめ鼻毛が凍るのも構わず「帰ったら生寿司だ」と微笑むのであった・・・・。
完