クリスマスなので、幸せな映画を。 「一日だけの淑女」
【大好きなフランク・キャプラ作品】
◎「一日だけの淑女」1933年
フランク・キャプラ監督、ロバート・リスキン脚本
ウォーレン・ウィリアム、メイ・ロブソン、出演
フランク・キャプラ監督作品、好きなものが多いんですよね。
「或る夜の出来事」「オペラハット」「我が家の楽園」
「スミス都へ行く」などなど。
(「毒薬と老嬢」は、ちょっと毛色が違うケド、これも狂ってて好き💌)
初めて「フランク・キャプラ」の名前を知ったのは、
1977年だったか、
高校生の時、手にした「ロッキー」のチラシだったですかね??
ハート・ウォーミングな作風を
「フランク・キャプラ・タッチ」
と呼ぶのだと、そのチラシで知ったと思います。
クリスマスの定番のキャプラものといえば、
「素晴らしき哉、人生!」だとは思いますが、
(これ、アメリカ映画の金字塔!!)
ここでは「一日だけの淑女」を紹介したいと思います。
これもイイんだなぁ♬
【最高幸福感満載映画】
映画のアウトラインは、シネマヴェーラのチラシが簡潔で的確。
ちょっと補足すると、
海外に送り出したアニーの最愛の娘。
スペインの貴族との結婚が決まった、という知らせが届く。
アニーは超貧乏暮らしだが、
裕福に暮らしていると、娘に嘘をついていた。
その貴族が、母親のアニーに会いにアメリカに来るという。
長年の嘘がバレて、娘の幸せな結婚も壊れてしまう、と絶望するアニー。
もう死んでしまおうか、
とまで追い込まれるが、
「アニーの売るリンゴが無いと、ギャンブルに勝てない」
と信じているギャングの親分が人肌脱ぐ、と言い出してー。
もう、
「そんなバカな!!」
という展開の連続なんですが、これが最高に幸せな気持ちにしてくれます。
いや本当に、泣いて、笑って、忙しかった😁
アニーを演じるメイ・ロブソンの変身ぶりもいい。
ギャングの親分(これがなかなか気が良いヤツで😅)役の
ウォーレン・ウィリアムも好演。
(この人、ロイ・デル・ルース監督という、よく知らない監督の
「従業員通用口」での、剛腕デパート支配人の役も良かった)
親分の片腕、ハッピー役のネッド・スパークスがまた印象的。
笑わない男😚確かに良いキャラ。
ビリヤードの名手「判事」を演じるガイ・キビーが、
また上手く使われるんですよねぇ。ほんとに上手い。
ちなみに、黒澤明も自伝(のようなもの)「蝦蟇の油」の中で、
「キャプラと云う奴は全くうまい。少なくとも僕よりうまいのは確実である」
と語っています。
脚本のリスキンの手柄も大きいのでしょうが。
演出、脚本、役者。すべて素晴らしいのですよねー。
【「おとぎ話が通じると思ったか、ボス!?」】
手下のハッピーが、苦境に陥ったボスにかける言葉です。
でも、その後、ホームレスやらギャングやら
「夜の女たち(なんちゅー、表現😁)」、報道陣、
その他、街中の(??)人々が協力して、
アニーとアニーの娘の幸せのために全員が邁進!!
ギャングや「夜の女たち」が上流階級の客を演じる練習をする、
なんていうシーンも、見応えあり!!でした😀
「おとぎ話が通じた」んですよねぇ。
その辺のお話の持っていき方、
実際に観て、堪能していただきたいです。
こんなにハート・ウォーミングなスタイルなのに、
ちょっと
「イリーガルな手段も辞さない」
という展開も容認(?)するキャプラの毒も、良かったです😃
その毒も楽しんで欲しいなぁ。
ビバ !!キャプラ・ワールド!!
その後、1961年に「ポケット一杯の幸福」というタイトルで、
キャプラ自身がリメイク。よほど好きな物語だったのかな?
ジャッキー・チェンも、
これをベースに「奇蹟/ミラクル」という作品を作ってマス。
合わせて観てみるのも、また楽しいのではないでしょうか。
というわけで、メリー・クリスマスです♬