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和裁士が本気出して考えてみた
ゴフクヤサンドットコム(居内商店)さんと共同開発中のプラモ着物、遂に先行販売開始です!
【プラモ着物とは】
柄と一緒にお仕立ての縫い線・折り線・裁断線がプリントしてあり、和裁未経験者でも簡単&速くお仕立て出来ちゃう着物です。 反物や洋服生地から浴衣を作ろうとすると、まずは型紙を写すところからスタート。正確に写すのは大変だし時間もかかります。 このプラモ着物なら柄と一緒に型紙がすべてプリントされているので、裁断線通りにカットして、テキスト通りに縫い合わせていけば簡単に浴衣が作れちゃいます。
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裁断から完成まで5~6時間!
通常のお仕立ての手順だとプロでも20時間くらいかかるので、これはとても画期的です。
長い距離の並縫い部分には合い印も入れて、釣り合いの確認をする手間も省いています。背縫い・脇縫い・衽付けには30㎝間隔、衿付けには15㎝間隔です。
ミシンを使ってより効率的に縫い進める為に、お仕立ての手順も手縫いの時とは変えてあります。
縫い目はキセを掛けずに割って、虫留めやくくり留めも省略。洋裁に近い縫い方ではないでしょうか。
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ありそうでなかったこのシステム。和裁士が本気出して考えてみました。
あまりにも画期的すぎるので受け入れてもらえるか不安でしたが、好意的なご意見が多くホッと一安心……!
名古屋の高島屋さんの催事で実演していたら、一般のお客様よりも呉服売り場の社員さんたちの方が興味津々でした。「衿付けはここで区切ってみるとか」「テキストはこうしたらもっと分かりやすいかも」と様々なご意見をいただいたので、早速型紙のデータからブラッシュアップ中です。
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特に和裁経験者の方の食い付きが凄かったのは、手縫いの苦労を分かっているからだと思います。縫い始めるまでに水通し・地のし・柄合わせ・裁断・ヘラ付けという作業があり、その工程だけでも半日くらい費やしてしまいます。水通ししたらびしょびしょになるから、その日はもう作業出来ないし。
実はこのプラモ着物、お仕立てを請け負う和裁士の為のシステム作りでもあるのです。お仕立てを簡略化・効率化して、スムーズに仕事を進めたい。オーダーメイドで手縫いでお仕立てする正絹の着物とは全く違うジャンルとして、デジタルプリントされた着物をS・M・Lサイズでミシン(またはミシン手縫い併用)でお仕立てする方法。カジュアル着物に合うやり方だと思うのです。
このプラモ着物のデメリットは、ペラッとめくると縫い線と折り線が裏側に見えてしまう事。これを目立たなくする為に線を薄くしたり色をなじませてしまったら、縫う時に裏から見えないので本末転倒。線だけ生地の裏側にプリントしたら両面印刷になってしまうので、ずれてしまう危険性がありコストもかかってしまいます。この線が見えてしまう事を受け入れてもらえれば、効率を重視した着物作りが実現すると思っています。
気軽に色んな着物を着てみたい方、着物作りに挑戦したいデザイナーさん、縫いまくりたい和裁士……そんな願いを叶えるシステムを作れたら、という思いで開発しております。みんなの『こんなのあったらいいな』が叶うよう、真摯なご意見もお待ちしております。
一緒に、そんなシステムを作ってみませんか?
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