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縫う醍醐味を味わえる絹
着物といえば絹!
洗える着物が普及した今でも、絹はやはり着物の代表格。
和裁士が縫う着物も、圧倒的に絹が多いです。
針通りがよく、キセもしっかりかかって、熱で伸び縮みし、水ジミになりやすい。
はじめての和裁で着物を縫いたい場合は、絹とポリどっちがオススメ?
答えは絹!
理由は……溶けないから!
溶けたらもう、どうしようも出来ないから。
絹素材について、特徴など書いていきます。
【小紋(柔らかもの)】
運針もくけもしやすい
コテの熱で伸び縮みするので、つりあいはなんとかなる
シワになりやすい
どぅるんどぅるん滑るので、引っ掛けたり引っ張ったりしないように注意
古い生地は、キシキシして針が通りにくい(針が折れるか、指貫に針の頭が貫通するくらい)
【紬】
運針もくけもしやすい
うっかりコテで折った所が意外としぶとく残る
コテの熱でそんなに伸び縮みしないから、つりあいはしっかり見よう(5厘単位で調節しないと痛い目に遭う)
脇の縫い代を伸ばせないので、裄曲がりに注意
【大島紬】
ビリつきやすいので、特に糸しごきとキセかけは慎重に
耳が太くつれている事が多いので、裄が足りるか注意
【銘仙(アンティーク)】
片身替わりにオススメ
大正時代の生地はそろそろ寿命なので、早めに着倒そう
縦に裂けやすい
アイロンがけでパリッとなった生地は、針を拒む硬さになる
耳切りされている可能性が高く、切り加減で生地幅が残念な事になってる場合がある(そんな時は足し布しよ!)
【訪問着・振袖・留袖(絵羽物)】
柄合わせの量で明暗が分かれる
衽付けに繋がらない柄があると、つい悪態をついてしまう
「なんで花びらの数違うのー!?」
刺しゅうや金箔で地の目が歪んでいると、とても困る
表身頃と裏身頃のトジが全部つりあい良くて、丈袋が全然入ってない時の達成感がヤバすぎて、一人で小躍りする
【色無地】
光線の向きがあるので、揃えよう
地紋がある場合は、その柄合わせもする親切設計
紋があまりにもデリケートすぎて辛い
柄がない分、縫い目やキセなどの出来映えがすごく目立つ
【羽二重】
縫い間違えると跡が残る、緊張感の高い生地
針が通るだけで糸が引ける時がある
地の目は見やすい
キセをかけるとピシッとなる
胴裏の生地は、安すぎるととても縫いにくくて仕上がりも残念な感じ(高めのしっかりと厚みのある生地は、お値段通りのよき仕上がりになります)
最後に
袷を縫ってみたい方には、色無地か紬か小紋がオススメです。
柄合わせがあるととても時間がかかってしまうので、「いつ終わるんだろう……」と気持ちが折れちゃいがち。
裾合わせや袖付など難所も多いですが、表と裏を合わせて組み立てていくのはワクワクすると思います。
半端ない達成感は味わえますよー!